【本】オランダ病院就労日記
【オランダの病院で働く日記 83】 パリオリンピック開催中、私はサッカー好きであることが知れ渡っているので「サッカー観てる?」と聞かれた。 「ううん。観てない。モチベーションが上がらんねん。EUROがこないだ終わったばっかりだしねぇ」 その会話を横…
【オランダの病院で働く日記 81】 オランダでは、学生の夏休みは8月末にきっかり終わる。 学生たちが戻ってくるので、9月から再開するもう一つのレストランの清掃をしようという話になった。 任されたのは私とテクリット。 テクリットというなんか口ずさみた…
【オランダの病院で働く日記 82】 今日は短い話を書く。 アフリカ出身の(たしかナイジェリア)テクリットと話をしていた時のこと。 テ「何人兄弟?」 私「2人だよ。弟が1人」 「2人かぁ」 「テクリットは兄弟いる?」 「弟が2人と」 (わー、兄弟全員男っぽ…
【オランダの病院で働く日記 80】 「腹減った」と「寒い」が発音違いで全く一緒。 ウクライナの同僚、マリナから聞いた面白いウクライナ語の豆知識だ。 そう言われればどちらもマイナスなイメージのある言葉なので、似た発音なのが面白い。 あれ、私が寒がり…
【オランダの病院で働く日記 79】 オランダは天気が年がら年中悪い。 よく言われるのがイソップ童話の『北風と太陽』のような天気が1日で起こる。 最高気温が36度あると言われた真夏日でも、朝方はひんやりしていて長袖でないと外出できない。 ところが夕方…
【オランダの病院で働く日記 78】 8時間のシフトの中で、二回の”アテンションプリーズ!”がある。 ミーティングと日本では呼ぶだろうか。 それを私がミーティングと呼びたくないのはリーダー4名と大ボス(コル)からの伝達事項を共有する場所なので、リーダ…
【オランダの病院で働く日記 77】 いいキャラしてんなぁ、と同僚に対して思ったことがある。 その日は小児病棟勤務だった。 最近はバケーションでいつも朝番の人がクロージングに入っていたりとイレギュラーが多い。 その日もいつもは朝番のセリー(モロッコ…
【オランダの病院で働く日記 76】 好き嫌いの話はいつでも盛り上がるものである。 マーク「じゃあ君は今日のベジタブルクイーンだね」 「そういうこと」 その日私は入院患者用の食材を盛るポーショネーリングと呼ばれる作業で難関の野菜を担当し、見事ノーミ…
【オランダの病院で働く日記 75】 空き時間にとりとめもない話をするのが職場に来るモチベーションとなっている。 その日はヒューゴから急にクイズを出された。 「オランダの州って全部言える?」 あたりめーだろ。 私が何年オランダが好きでここに住むこと…
【オランダの病院で働く日記 74】 休憩中のこと、新人に向けて動画を作っているカウターに私は進捗を聞いていた。 「ムービーどんな感じなん?」 「全然おわんないから今も作ってる」 「まじか」 「休憩中なのに働いてるのよ。偉いでしょ?」 「俺も今購入リ…
【オランダの病院で働く日記 74】 職場にはグルチャがある。 グループチャット。 オランダ語は日本語のような敬語がないのでグルチャもいささか砕けた印象を持つ。 例えばこんな風に。 「パスは事務所に置いてあります」 「わわ。ありがとう」 仕事用のIDカ…
【オランダの病院で働く日記 73】 土日に働くと、食堂利用者が少なく開店休業に近い状態になる。 余った時間で何をするかというと、我々はどこかを熱心に掃除するような日本人的精神を持ち合わせていないので、だらりとテラス席に腰掛け喋りながら時間をゆる…
【オランダの病院で働く日記 72】 ヤミナの誕生日だった。 出勤した彼女の手には黄色い箱が載っていた。いかにもケーキが入っていますと言わんばかりの半分が透けた箱だ。 オランダでは、誕生日の人が自分でホールケーキを持って職場でケーキを配るのが通例…
【オランダの病院で働く日記 71】 同僚のマークはよく女性と話しているのを見かける。 少年とも話しているのを見かけるが、本人が元プレイボーイなのか圧倒的に女性と話していることの方が多い。 何故勝手に”元”とつけたかというと、マークは60歳を越えてい…
【オランダの病院で働く日記 70】 職場ではワゴン車くらい図体のでかい食洗機で入院患者の食器を全て自動で洗っている。 まあ、音がうるさい。 ワゴン車、トラクター、軽と三種類の食洗機を使い分けているので3台が同時に稼働している時なんかとんでもない騒…
【オランダの病院で働く日記 69】 「テクノ聴くの!?」 音楽を止めた後だった、あまりにもキラキラした笑顔で聞かれた。 場所は小児病棟のキッチン。 その日のシェフは週一回に合うか合わないかのセルビア人の女性だった。名前忘れちった、ごめん。 私はフ…
【オランダの病院で働く日記 68】 「ディアナ〜〜〜!!!!!!」 「どこにいるの〜〜!!!!!????」 「助けが欲しいな〜〜〜〜〜!!!!!」 私はイライラを隠さずに彼女を呼んだ。 「チッ どこに隠れやがった」 これは小声で言った。 小児病棟のキ…
【オランダの病院で働く日記 67】 月末1番の楽しみといえばなんだろうか。 言うまでもなく給料日だ。 その日私はウクライナ人のマリナと働いていた。 マリナは給料日に会うととびきり機嫌がいい。 その日も朝から「おはようりんちゃん!給料見た?」と出会い…
【オランダの病院で働く日記 66】 今日が勤務初日の少年に 「それじゃ綺麗になってないでしょ?こっちでホースで洗って」 とホースまで誘導しようとすると言われた。 「知ってるよ」 はあ? てめぇ初日だろ! 知ってることなんて一個もねぇだろ! 黙って「は…
【オランダの病院で働く日記 65】 先日はあまり好きではない小児病棟での勤務だった。 ラッキーだったのはウクライナ人のマリナと働けたことだ。 マリナはここで働き始めて一年以上経つので「コーヒー淹れてきていいよ」「ちょっと座ってなよ」など、休憩の…
【オランダで運転していて”なんなんこいつ”と思うことランキング】 すげぇあんのよ。 ありえない運転してくるのよ。 言っとくけど私、免許は持っているけどバイクしか乗らないのよ。 主にフィーツパッド(自転車専用道路)で乗っているから車だけじゃなくて…
【毎日違うものを食べる稀な民族】 仕事は8時間勤務だ。 ランチは必ず職場で摂ることになる。 私は、同僚のランチに”違和感”を覚えていた。 その”違和感”は実は私にも抱かれているものだと後に知ることになる。
【オランダの病院で働いている 63】 先日、いつものように昼時だけレジに入った。 私は昼だけヘルプをする要員なので正直食堂の全てのメニューを把握しているわけではない。 そんな弱みが出た日だった。 チーズ揚げ、ヨーグルトドリンク、パン、チーズ。 そ…
【オランダの病院で働いている 64】 先日閉幕を迎えたEURO 2024 ドイツ大会。 オランダがベスト4に進出したこともあり、職場でも連日「トルコとどっちが勝つかな」などと盛り上がっていた。 オランダ戦の数日前からサッカー好き同志で和気藹々としていた。 …
【オランダの病院で働いている 62】 セクハラになるかもしれない vs 笑わせたい この二つのせめぎあいで”笑わせたい”が勝ってしまったことがある。 「りんちゃん!」 私のことを耳をつんざくどでかボイスで呼ぶのはべキールだ。 べキールはもう知っている人…
【オランダの病院で働いている 62】 「りんちゃん!」 出会い頭で大きな声で私を呼ぶのは趣味は女性との会話(でも男とも話すからただの人好き)のべキールだ。 「べキール!」 「りんちゃん・・・彼氏に言いつけるよ」 「どういうこと」 「今日このあとデー…
【オランダの病院で働いている 61】 オランダは7月10日ごろから学生が夏休みに入った。 バケーションとして社会人が休暇を取るのもこの頃からで、9月までバケーションラッシュが続く。 学生はというと夏休みの間短期でバイトをするのが主流だそうだ。 学生時…
【オランダの病院で働いている 60】 最近の職場はEURO 2024の話題で持ちきりである。 休憩になれば少年たちは「イングランドが〜」「スイスが〜」「オランダは〜」とサッカーの話題が豊富だ。 私はそこに入れるくらいの情熱を持ち合わせているが、シャイなの…
【オランダの病院で働いている 59】 オランダの病院で働く日記。 アミナは感心するくらい肝の座った学生である。 「それ私たちが今日掃除したカートじゃないよ」 これはカートのクリーンチェックで基準値を悪い意味で越えて赤判定をもらった時のアミナ。 「…
【オランダの病院で働いている 58】 先日、トルコ人のイルケが手取り足取り小児病棟での勤務について教えてくれる日があった。 イルケは家族をトルコに残して単身で出稼ぎに来ている50代くらいのチームリーダーだ。 今後私が入るかもしれない小児病棟シフト…