【オランダの病院で働く日記 79】
オランダは天気が年がら年中悪い。
よく言われるのがイソップ童話の『北風と太陽』のような天気が1日で起こる。
最高気温が36度あると言われた真夏日でも、朝方はひんやりしていて長袖でないと外出できない。
ところが夕方〜20時頃までは半袖の袖すらもぎ取りたくなるほど暑くなる。
地面からの熱が放たれるそのじわじわと暑いひと時を、エアコンなしで過ごすのだから少しは褒めて欲しい。
冬は、包み隠さず言えば自殺しようかと思うほど一日中曇っている。
太陽が見えないと人はこんなに病むのかと驚くばかりだ。
日本にいた頃スウェーデンやデンマーク制作の北欧映画が好きだったのだが、理由は街がオシャレで家具のセンスがいいから家の中を見ているだけで楽しい気持ちになったからだ。
その理由が今は分かる。
家の中を気分華やぐセンスのいい家具で塗り固めないと、冬はほぼずっと家にいるのだから気持ちが明るくならないのだ。
北欧ではアイリスオーヤマの収納家具なんか見ていたら生きていけないのだ。
何の話をしていたっけ。ニトリの話だっけ。
そうだ、天気だ。
その日は同僚と天気について話していた。
ズヴェッタ「晴れてるのに雨が来そうねぇ」
私「もうすぐだよねこれは」
ズ「マケドニアでは晴れてるのに雨が降ることをクマの結婚式って呼ぶのよ」
私「え!?なんて!?」
ズ「クマの結婚式」
私「日本ではキツネの嫁入りっていうよ」
ズ「日本ではキツネが結婚するの?」
私「そう」
ズ「キツネあんまり身近な動物じゃないなぁ」
私「日本にはキツネを神様として祀ってる神社もあるから」
ズ「キツネが神様なの?」
隣にいたゲームオタクのヒューゴが応戦してくれた。
ヒューゴ「神社の横にキツネいるんじゃなかったっけ」
私「いるいる。二体いるよ」
私は「こんな顔とこんな顔!」と言って狛犬のモノマネをしたつもりだったが、今思うと阿吽像のモノマネをしていた。それ金剛力士像じゃん。
狛犬という単語もブログを書く今まで出てこなかった。
脳よ、忘れないでくれ、日本語。
それにしてもクマの結婚式、とても趣があって良い。
これだけでマケドニアが山に囲まれた国であることや自然が豊かであることが想像できる。
そういうのめっちゃ好き。
そういうのもっとちょうだい!
今度はウクライナの羊だか牛だかの結婚式について聞いてみたい。そういう言葉があるのか知らんけど。