オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【100%いいなんて存在しない説】
オランダの都市部にて、民家のまん前でオルゴールを演奏するおじさんと遭遇したが全員が素通りするのでこれが日常なんだと思い込む日々を送っている。
先日、派遣会社に登録した。
派遣と聞くとなんだか堅苦しいのは私だけだろうか。
要は短期アルバイトを主に斡旋している会社のアプリに登録した。
私のビザの期限は次の八月だ。
年が明けて一発目の面接では「八月までだと、もっとやってくれる人を探してるから。」と、ビザを理由に断られてしまった。
差別だ!
と言いたいのではない。
人事の方もまた八月に同じことをするのが変えられない条件ならば、すぐに辞められるかもしれないけれど、ビザの心配のない人を選びたいであろう。
私はそのすぐに辞める人より、ちゃんと働ける自負があるが、世の中っていつもそうらしい。
さて、そのアプリに関してだが、登録の際には電話で面接があった。
私は「オランダ語でしか求人していないところにも出そうとしているんですが、難しいですかね?」と伺ってみた。
相手の会社は必ず当日来る人をチェックして"承認"ボタンを押しているから、私のプロフィール欄にそのことが明記されていれば問題ないとのことだった。
つまり不適合だと"却下"の通知が来るのだろうか。
いささか怖いが、便利なシステムだと感じた。
登録を済ませて、面接に落ちたショックでアプリの検索ページを藪から棒にタップしていた時だった。
以前から、ここは働けそうだなと思っていた郵便局があった。
まさにその郵便局にて求人が出ていたのだ。
私はベッドから飛び起きた。
昼間から寝ている場合ではないようだ。
ロッテルダムまでどんどこと電車に揺られている時に見つけた大きな郵便局だった。
広いが故に年がら年中人を募集していそうだなと思ったのだ。
頭の片隅にあった、ちっちゃめの夢が叶った瞬間だった。
こうして私は無事に仕事にありつけることになったのだが、後々考えると、完全なる運だった。
よく観察しているとそのアプリは定員に達すると自動で締め切るのか、出てくる求人がころころ変わる。
タイミングが悪ければ、見つけられなかったかもしれない。
私は知りたくなかったが、この派遣会社の仕事が雑であることを勤務初日に理解した。
次回、"行ったら行ったで誰も私が今日どこで働くか知らないから口論勃発"
先生の次回作に、ご期待ください。