オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。最近はオランダの病院で働くブログ。

【オランダの病院で働いている 15】

【オランダの病院で働いている 15】

 

オランダの400名入院している巨大大学病院で、オランダ、マケドニアウクライナ、ガーナ、ナイジェリア、中国出身の同僚に囲まれて働く日記。

 

出勤がない日は日記が書けない、ということで本日は業務の一環である入院患者の夕食の準備について語る。

 

朝とランチに温かい食事は出ない。そのため、人員を費やさなくて準備ができるのでキッチンメンバーのみで準備を行う。最も、台車に食パンやチーズをどさっと乗せてあとは看護師さんが配るだけのようで、仕込みらしい仕込みはない。

 

というわけで我々クリーニング部門は手を貸さない。

 

パン、チーズ、ヨーグルト、飲むヨーグルト、ジャム、バター、ピーナッツバター、チョコレートスプレッド、ゆで卵。

 

たまに日替わりでポッフェルチェというオランダ版ベビーカステラのようなものが出るが、かなり稀である。

 

ポッフェルチェははちみつと粉砂糖を大量に振るメニューなので見た目はかわいいが、予算がかわいくないのかもしれない。

 

 

 

ランチも似たようなもので、朝食と違う点が一点だけある。

 

返却される皿の上に多量の薬の袋がないことだ。

 

朝食の皿の上には、それだけで満腹になりそうなくらい空のカプセル入れが転がっている。

 

たまに注射器もごろんと横になっているので、そういう場合は注意してもらうためにリーダー達に報告する。

 

残念なお知らせだが、この5ヶ月でよく注射器の運ばれてくる台車を覚えてしまった。

 

B3棟である。病棟はA〜Dまであるが、恐らくB棟は接種を必要とする患者が集結しているのだろう、最もよく注射器を食堂まで運んでくる。いらない。

 

針はないけど本体の先が紫で怖いのでやめてほしい。というか、あんなに紫のものをよく真っ白な皿の上において違和感がないなと感心する。

 

話を戻そう。

 

夕食の準備は、よく冷えた冷蔵庫のような室温の部屋で作業を行う。これが冬には指先からカチカチに凍っていくようで非常に辛い。

 

ここでは流れ作業で400名分の夕食を作る。

 

作業はレーンにプレートを流して、先頭のメニューカードを置く係がカトラリーやメニューの書かれた紙をセットする。

 

次に主食係が皿を選び、主食を載せる。

 

皿の大きさは通常、または大盛り用の二種類がある。

 

主食はほぼ毎日同じだが、一種類だけ日替わりが存在する。そこにはペンネアラビアータや、ナシゴレン、ミーゴレン、などが日替わりで登場する。

 

オランダはインドネシアを植民地としていたのでインドネシア料理が人気である。それは病院でも変わらない。

 

ほとんどの人が長期入院で気分を変えたいのか、日替わりのメニューを頼む。

 

それ以外にもタイ米(水分が少なくてまずそう)、かために仕上げられた粉吹き芋、柔らかめに仕上げられた粉吹き芋、マッシュドポテト(塩入り)、マッシュドポテト(プレーン)、マッシュドポテト(パセリ入り)、小ぶりなポテト(皮付き)がある。

 

そう、ほぼ全てがポテトである。さすがじゃがいもが主食の国。ゴッホが描いただけある。

 

主食が盛られると次はvlees(肉)係が肉を盛る。

 

vleesとは名ばかりで魚も揃えているが、日替わりで一種類しか提供していない。レパートリーが少ないと何度シェフを殴りそうになったことか。シェフはたまにお菓子をくれる優しい小太りの男なので見逃しているが。

 

鮭のムニエル、白身魚のソテー、赤身牛、ミートボール、ミートボール(塩なし)、ミートボール(ビーガン)、ソーセージ、ハーブ入りソーセージ、赤身ソーセージ、チキンソテー。

 

この肉を盛る係はキッチンのものが入ることが多く、私は二度しか経験したことがないので思い出せるのはこれくらいだがもっとレパートリーが豊富である。

 

続いてgroente(野菜)係が野菜を盛り付ける。

 

野菜はgroente(野菜)とrauwkost(生野菜)と二種類あり、生野菜の方は大盛りを頼む患者についている印象がある。全員についているわけではない。

 

胃が元気でないと生野菜を食べられない規則でもありそうである。

 

野菜の方はブロッコリーグリーンピース、にんじん、インゲン、いずれも茹で野菜である。ナスやとうもろこしなどの野菜は見たことがない。

 

季節によるのかもしれないが、主食や肉が日替わりなのと比べるといつも同じ野菜を提供しているイメージがある。

 

rauwkostはレタスやトマトが乗ってドレッシングまでついているいわゆる普通のサラダが小鉢サイズにすでに盛られているので、それをプレートの端に置くだけである。

 

終盤になってきた。

 

jus(ソース)の出番である。

 

こちらは肉や魚用のソースがスーパーボール(大)くらいの大きさのソースカップに入っているので、適宜皿の空いたスペースに置く。なんで今スーパーボールで例えてしまったのだろう、異常に分かりにくい。

 

ソースの部門が私にとっては一番簡単なので、その日の配置表を見てソースだった時には心の中であぁ〜しらきのように踊っている。ソースかな?女かな?

 

最後にデザートだ。

 

nagerecht(デザート)とbijgerecht(サイドメニュー)と呼ばれるものがそうだ。

 

デザートはバニラヨーグルト、チョコヨーグルト、いちごヨーグルト、キャラメルヨーグルト、洋梨ヨーグルト、プレーンヨーグルト、ナッツ、オレンジ、りんご、バナナなどバラエティ豊かだ。こちらは全てが日替わりである。

 

サイドメニューの方はナシゴレンを頼むとインドネシア料理定番のエビせんべい(のようなもので実際エビは入っていない)、パスタを頼むとスパイス、など主食によってかわる。ついていない人の方が圧倒的に多い。

 

サイドメニューと言われているが実際のところは調味料の方がしっくりくる。スパイスだけ手でつまんで食べる奇特な患者さんもそうそういないだろう。

 

もっとも、パスタのスパイスは様々な種類を合わせているらしくそれだけで美味しそうには見える。一回試してみようかな。温厚なシェフにもさすがに裏拳使われるかな。

 

ここまでが1名分の食事を作る流れだ。これがとてつもない早さで流れてくるので最初のうちは「あ、無理止めて」「XX乗せるの忘れた」とよくレーンを止めていたが、

今ではレーンを止める新人を圧を与えないようにこっそり盗み見るくらいにまでは成長した。

 

見たいもんは見たい。だって早く次の野菜盛りたいんだもん。