オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【ピンときた】
オランダの都市部にて、新しい仕事のシフトを待ちながら「この待っている体が一生続けば働いている体にはなるよな」と甘い考えを持ち始めている。
オランダの”スパイシー”は辛くない。
インドやインドネシア、韓国など近所の国が辛い料理で有名というのも手伝って日本には辛いものが多かった。
と、今では思う。
オランダに来てから商品のラベルに書いてある唐辛子のマークが全く信用できなくなってしまった。
先日、スーパーで唐辛子マークが一つプリントされた出来合いのカレーを買った。
蜂蜜が入っているのかと疑うくらい甘かった。
それはそれで美味しいのだが、”あの唐辛子マークはいらないのでは?”と真剣に考えてしまった。
先日、友人と夕飯にタンドリーチキンを作った。
彼は「仕上げにこのヨーグルトを入れると美味しいんだよね」と、小さめのカップに入ったヨーグルトをフライパンにぶち込んだ。
私はヨーグルトはデザートに食べれば胃にちょうどいいのでは、と考えていたので、まさかのオールインに目をぐるぐるさせた。
タンドリーチキンって赤色じゃなかったっけ?と思いながら、出来上がったベージュ色のそれをそれをむしゃむしゃ食べた。
それはそれで美味しかった。
どうやらこの国では”まろやかな味わい”が愛されているらしいのだ。
私はやっと謎が解けた気分だった。
昨年まで働いていたホステルでは、毎週木曜日にマネージャーの作るお手製の料理をホステルのメンバーで囲む食事会があった。
ミールディール”meal deal"と呼ばれるそれは、ホステルで4年も続く恒例行事だ。
彼女はメキシコ料理が好きなので、よくチリコンカンが提供された。
サラダや、サフランライスの横に必ずあったのだ。
ヨーグルトが。
バイキング形式のディナーでは各々がチリコンカン、スパイシーチキン、サラダ、それらを盛ったワンプレートの上に必ずヨーグルトをしこたま載せていた。
私は、ヨーグルトはいらないかな、と思いつつ少量を取っていたのだが、なるほど。
ヨーグルトでまろやかにすることを前提で作っているのだ。
なんて胃に優しいのだろうと感じた。
私も韓国の激辛インスタントラーメンを食べて鼻水をずるずる言わせている生活から脱却しようか。
いや、今日もスーパーでインスタント麺のコーナーに寄ることは確定している。
あのニワトリのイラストが描かれたパッケージが、私を待っているのだ。