オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【フランスのおもてなし】
オランダの駅前にあって立地は最高だけど段々ボロくなってきているホステルにて住み込みで働いている。
昨夜は私がホステルで過ごす最後の夜だった。
その日の夕方、いつも夕飯はケンタッキーかマクドナルドのフランス人が声をかけてくれた。
「今日はあなたの最後の日だからクレープを作るよ」
一瞬何が起きたかわからなかった。
え?料理するの?君が?
寿司屋で働いていた、と豪語し結局食材が高いから一回もルームメイトに飯を作らなかった私とは大違いだ。
三か月もいたのに。
「クレープ大好き!」と返して、少しばかり罪悪感と発見を感じた。
メンバーが変わるとこんなにもやることが変わるのか、と。
以前のメンバーだと夜は他の仕事(インド人)、基本飯は一人で食いたい(フランス人)、など夕飯を共にすることは一回もなかったのだ。
それでもたまにホステルの外で飯を食うことはあったが、手料理ではなかった。
手料理をすればこんなに簡単に距離が縮まるのかと、勉強になった。
そのクレープは私のために作られたはずだが結局ポルトガル人がほとんど食って終わった。なんでや。
ほんのり甘い出来立てのクレープは優しい味がした。
ホステル、ここを出て家賃を払う形になれば二度と戻って来れないであろう住み込みの生活。
ホステル、でも毎日が学校の放課後のような生活。
ポルトガル人「さ、最後の夜だよ!ハッパ吸うか!」
無視して寝た。