オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【危険物注意】
オランダ片隅にあるオランダ人にも「なんでそんなとこ住んでんの」と言われる街のホステルで、住み込みで働いている。
私のホステスはランチが無料だ。
正式に言うと働いている対価なので無料ではないのだが、オフの日も食べに来るメンバーがいるのは事実だ。
内容は以前もお伝えしたが、硬いパン(白と茶色)、ジャム、ピーナッツバター、バター、サラミ、チーズ、ハム。
ランチの買い出しはフロントメンバーのオランダ人達が行うので、パンも然りかなり"ダッチセレクション"になる。
先週はHagelslag(パンにかけるスプレッド)のチョコレートではなく、青と白バージョンが食卓に登場し、オランダ人は「美味しい」
私を含むインターナショナルチームは「クソまずい」「歯磨き粉食べてるみたい」と酷評だった。
そんな中今週食卓に登場したのはストロベリージュースだった。
ボトルの形が子供向けの飲料水のようにぷっくりしていて、サイズは600mlほどだった。
大柄ポルトガル人が開けてなみなみとコップに注いでいると、オーナーが声をかけた。
「ちょっと!それ原液だからそんなに入れたら甘いよ!」
インターナショナルチーム(フランス、日本、アメリカ、ポルトガル)はぽかんとした。
ポルトガル人「どゆこと?」
「これは水かサイダーで割って飲むものなの!」
なるほど、オランダのカルピスというわけだ。
見た目が明らかにこのまま飲めます!という感じで苺の絵が描いてあったので、勘違いしても無理はない。
というかカルピスも、そのまま飲めそうなパッケージだったなと。
そういえば出汁も、そのまま飲めそうなパッケージで売られている。
"薄める"はその場所に生活しているなら知っていて当たり前だからパッケージには書かないのかもしれない。
レセプションの子が「危なかったわね」とボトルに原液を戻していた。
飲んだら死ぬ甘さだったのだろうか。
気になったので私も飲もうと思ったが、先にオランダ人に取られた。
そのあとアメリカ人が取った。
次に私がボトルを手にした。
まずは匂いを嗅いでみると、かき氷のいちご味を1000個並べた匂いがした。
実際に並べたことはないので、ツンと甘く香ったと表現した方が楽だったか。
さて、うがい薬の量を入れて水を8割注いだ。
予想通りの味がした。ほんのり高級なかき氷のいちご味だ。
何でこれを買ってきたのかは聞かなくても分かった、安かったのだろう。
前に買い出しに行っているスーパーに行ったら、今週食卓に並んでいたジャムが陳列の一番目立つエンドに置いてあった。
大容量で1ユーロだった。
「これね、子供達が大好きなんだよ!」
オーナーは目を輝かせながら語ったが、30歳の私は「へぇー」と返して終わった。
子供みたいなもんなんだろうな、従業員全員が。
オーナーはたまにオランダらしいものを買ってきて振る舞ってくれる。前回はトンプースというピンク色の食べにくいけど美味しいオランダ名物のケーキだった。
ケーキ。
やっぱりオーナーにとって私たちは全員子供なのだろう。
ありがたく受け取っている。