オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
オランダのホステルにて住み込みでねずみと戦いながら働いている。
本日、アムステルダムにお邪魔した。
此方に住んでいる日本の学生さんにお会いした。
彼と話していて、驚いたことがある。
「帰宅ラッシュの信号待ちは、自転車が溢れかえっている」
聞いたことのない話だ。
少なくとも私の住む街では見たことのない光景だ。
しかし、彼と別れてすぐに街で自転車に大軍に遭遇した。
時刻は17時過ぎ、まさに帰宅ラッシュだ。
穂の実った田んぼを移動するバッタのようだった。
その他に「美術館や博物館はいまだに予約を推奨される」とも聞いた。
北ブラバント州では、9月の飲食店入場にはQRコード必須になってから公共施設への入場予約は消え失せた習慣になった。
私以外にも予約を提示している人は見かけたことがない。
だってめんどくさいもの。
家から博物館が徒歩10分なら計算できるが、10分を超えると途中で猫に遭遇して写真を撮りまくるかもしれないし、
鍵を忘れたと思って家に戻るも結局ポケットに入っていることに気づいて駅と家とをやたらに往復するかもしれない。
10分を超えた途端に時間が読めない。
そんな私はホステルに五ヶ月滞在している先輩住み込みから聞いた言葉が忘れられない。
「アムステルダムはオランダじゃなかったからつまんなかったんだ、だからここに来たの」
オランダと聞いてアムステルダムを思い浮かべる人は多いはずだが、たしかに住んでみるとその意味は分かる。
とにかく観光客が多いのだ。
京都の土産物屋がぎっしりの五条坂は京都ではない、四条の路地をちょっと入ったところが京都なのだ。
そういう感覚だろうか。
京都の路地裏ほどおしゃれではない気がするが、聞こえはいい。
五条坂に住めと言われたことはないが、落ち着かないかもしれない。
それでも路地裏にいる私は、太陽燦々の五条坂に憧れるのだ。
住む機会はあるだろうか。