【オランダの病院で働いている 25】
オランダの病院の食堂で食事と掃除にまつわることで働く日記。
「これは日本製じゃないからすぐ壊れるんだ」
日本製でもこれだけ使ってたら壊れるだろう、と思った。
職場では3台の食洗機が稼働している。
一台が子供も煮込めそうなほど巨大な鍋から家庭用のフライパンなど、調理器具を洗うマシン。
もう一台はグラスを正方形のケースに詰めて洗うグラス専用のマシン。
最後にメインとなるお盆やお皿をまとめて洗えるマシンだ。
最後のマシンが最もよく故障するマシンで、その頻度は2日に一回と多い。
10年以上毎日稼働しているマシンなので仕方ない、だからこそ使っていない時はこまめに電源を切っている。
電源を切る他にゴミを取り除いたり、皿が詰まる音がしたらすぐに停止ボタンを押して皿をピックアップしに行くようにしている。
ある日、気を遣われているマシンではない方のマシンが故障した。
グラス洗浄のマシンだ。
グラス洗浄は最も単純作業、レールの上に流れていく正方形の箱が吐き出されていくだけなので故障しにくいと思っていた。
ところが働いて3ヶ月ごろに朝からそのマシンが壊れているのに遭遇してしまった。
病院専属のメカニックに電話をして、到着を待つ間にリーダーのイルケが言った。
「これ日本製じゃないからすぐ壊れるの」
「あー、日本製だったら私修理できるのにね」
「できるの!?」
できないわ。
できないし、例え日本製でも朝昼晩と400名のグラスを洗えば1ヶ月に1日くらいはうんともすんとも言わない日も発生するだろう。
「1日くらい休みくれよ!洗わせる側の人間は週3日休みあるらしいじゃんか!」と言いたくなるだろう。
洗わせる側の人間は休憩が4回くらいあるし、休憩中にチョコとか食べてるし、チョコレートドリンクにチョコを併せて食べることもある。どんだけ疲れているんだ。
私はメカニックではないし、グラスマシンに1日平均20個はグラスの塊を送り込む鬼だ。
グラスマシンにできる最大限の思いやりといえば、やはりこまめに電源を切ることしかない。
グラスにチョコを入れて送り込めばまた故障しかねないのでやめることにする。