オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【漢字の抜け感】
オランダの都市部にて、思ったより寒くない冬を過ごしている。
最近よく漢字を間違えてしまう。
昨日は花束と書こうとして、束の上を”やまかんむり”にしてしまっていたし、
一昨日は靴下と書こうとして、”靴足”と書いていた。
しかも1回書いて、なんかおかしいなと思い2回目で気づいた。
これでじゃあ勉強しているオランダ語がすらすらを出てくるようになったかと思えば、今日も”好奇心”という単語を間違えた。
これを書いている今も、たった10分前に書いたのにもう忘れている。
この現状で、思い出す人がいた。
それは以前、大阪で勤務していたホテルで同僚だった謝さんだ。
台湾出身の彼は、当時日本にすでに四年ほど住んでいたはずだ。
その間に日本語を上達させる他に、韓国語にも手を伸ばしていた。
もちろん英語も並行して勉強していた。
ホテルのフロント業務に英語は不可欠だ。
ある日、彼は私に業務引き継ぎをする際にこう言った。
「今日は何も喋れない」
一体何を言っているんだと思ったが、どうやら頭の中が混戦していて日本語を喋ろうとしたら韓国語が出てくる、英語を喋ろうとしたら中国語が出てくる日だったらしい。
一つの単語を喋ろうと引き出しを開けたら、4つも選択肢がある彼ならではの悩みだなと感じた。
私はそこまで綺麗に頭の中で言語を整理できていない。
だけどなんだか、憧れる悩みだった。
漢字を忘れるのと引き換えにオランダ語を覚えているようではないので、どちらも忘れずに生きていきたい。