オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【誰だって誰かの”ないもの”】
私が住み込みで働くホステルには、ルームメイトにコロンビア出身のCちゃんがいる。
彼女はアメリカ、デンマーク、オランダと各国にて住み込むで働いた経験のある偉大なる住み込み先輩(26歳)だ。
そんな彼女にとって、私は知り合った四人目の日本人だそうだ。
少ないのか多いのかよく分からないが、彼女に日本人の印象を聞くとこうだ。
「教育受けてきたんだな〜!って感じがする。
電車の中で大声で喋らない。
私たちコロンビア人はめちゃくちゃでっかい声で喋る、例え車内に寝てる人がいても(笑)
りんちゃんなら、寝てる人がいたらどうする?」
「静かにする(即答)」
「でしょ!そこなの!そこが違う。お行儀よくするように教育されてこなかった。」
なるほど、目から鱗である。
日本の電車内がたまに”棺桶”と称されるのはお喋りが嫌いなのではない。
彼女曰く”教育”に差があったのか、と膝を打った。
更に最近、ホステル内のバーに若い女の子(私を除く)4名が集まった際にこんな話になった。
Cちゃん「自分が褐色、黒髪だから、彼氏は白人で金髪がいいんだよね。そこがストライクゾーン!」
「私は逆に、褐色で黒い髪ってかっこいいと思うよ」
回答したのは、ポルトガル出身のAちゃんである。
Aちゃんは、父がラテン系だが、母が抜けるような白い肌のヨーロッパ系で、鼻以外は全て母親似だ。(インスタグラムを見せてもらった)
Cちゃん「それはあんたが白い肌だからそう思うのよ!」
間違いない。
人は、何故だか自分の持っていないものに憧れる。
そして、すでに手に入れているものについては”標準装備”なので、ないがしろにしがちである。
手に入れた瞬間飽きるかもしれないのに、手に入れてみたいと乞う。
手に入れた瞬間、大したことなかったなと思うかもしれないのに、手に入れてみたいと努力する。
手に入れない未来は、私には見えない。
死ぬ前に後悔することがきっとたくさんあるので、少しでも減らすために生きている。
だからはるばるオランダまで来てしまったのだ。
手に入れてみた憧れのオランダでの生活は、まだ飽きる気配がない。