オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【返し下手かよ!】
私が住み込みで働くホステルでは、現在4名のスタッフが同じく住み込みで働いている。
初めてホステルのメンバー以外のオランダ人に会った時のことだ。
「オランダ人は気を利かせて褒めたりしないから気にしない方がいいよ」
なんとも恐ろしいアドバイスを頂いたのだ。
最初の仕事の後、よく出来ていなくても「よく出来たね!」というのが先輩の仕事だと思っていた。
実際に「今日の清掃の進み具合はどう?」と聞かれてよく進んでいる方だよ、と言いながらチェックリストを見せたら
「ふーん」とそうでもない返しをされたことがある。
もしこれが仕事初日ならあまりにも冷たいが、そうではなかった。
それに、率直でいいなと感じることもある。
ホステルではレセプションにインターン実習生を数多く採用している。
そのうちの一人が、18歳のJちゃんだ。
彼女は、最初にメンバーと共にしたランチでの自己紹介中、腹が減ってもさもさとパンを食べている我々の前でこう口にした。
「18歳です。彼女と同棲しています。彼女以外に二匹の猫とも同居しています。」
初対面で彼女に彼女がいることを知った。
そのあと仕事後に飲むことがあり、私は気になっていたことを聞く機会を得た。
「彼女とはどこで知り合ったの?」
「マッチングアプリ」
「ほう」
これは私が悪いのではない。
私たちはまだ、「マッチングアプリで出会ったの」に対する上手い返しを知らないのだ。
というか、上手い返しはここでは意味を成さないのだ。
素直に素直の返答が重なって、お世辞で生きてきた私は返す言葉を持っていなかった。
でも、気づいたことがある。
そういえば私もマッチングアプリに興味があるのだから、気にせず「何のアプリ使ってるの!?」と聞けば良いだろう。
どうせオランダ語で読めないのだが。