オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。

【新しいエヴァの楽しみ方】

オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

 

【大阪人の知らんけどはほんまに知らん】

 

 

住み込みで働いているホステルにて、多分変わり者と知り合った。

 

多分というのは、この国ではという意味である。日本では全く珍しくない。

 

ホステルでは夕飯後に各々バーに集まり、知り合い、酒を飲み交わす文化がある。

 

彼はコロンビア出身で、ドイツとのハーフである。

 

私より2つ年上で、私たちと同じホステルでの仕事を希望している。

 

ちょうど一人、空きがあるのでこのままいけば採用であろう。

 

32歳で、無職なのだろうか?

 

つっこんだことを聞けなかったが、彼はいわゆる日本フリークだ。

 

「スカヨハの日本の映画観た?」

 

「ネットフリックスの地震の映画も面白かったよ」

 

まるで私が映画好きであるのを知っているかのような口ぶりであるが、確かに日本人に映画ファンは多いかもしれない。

 

その全てを知らなかったが、彼は最後にとっておきの秘密を打ち明けるかのように言った。

 

「僕、エヴァファンなの」

 

「ああ、私も好きやで!」

 

若干の嘘だ。

 

TVシリーズしか観ていないが、2019年に突然思い立って観始めたので記憶に新しい。

 

私は質問を続けた。

 

「どのキャラが好きなん?」

 

「アスカ」

 

「即答だね」

 

「だって、アスカはドイツとのハーフだから!共通点がある。」

 

なるほど、見落としていた。

 

見た目は完全に褐色でコロンビア人の彼だが、ドイツの心は忘れていなかったのだ。

 

「アスカ・ラングレイだったね・・・」

 

「でしょ!?」

 

目を輝かせながら話す彼に忘れてたなんて言えなかった。

 

「新作の映画は観た?日本ではめっちゃヒットしてたんやけど。ひょっとして公開まだかなぁ」

 

「ん〜まだだと思う!でも、前作がいまいちだったから観ないかも」

 

よくネットで耳にした感想を彼はそのまま口にした。

 

新キャラがイマイチだとか、話が難しかった云々。

 

なので、私は同じくネットで耳にした言葉をそのまま彼に伝えた。

 

「は?観た方がいいよ」

 

「なんで」

 

「言えない」

 

まるで何かを知っているかのような口ぶりである。

 

繰り返すが、TVシリーズしか観ていない。なんならカヲルくんすら知らない。

 

友人のエヴァファンから流れてきた”泣いたわ〜”のツイートを鵜呑みにしたのである。

 

「分かった、絶対観るわ!!」

 

私は、観ていない映画の売り上げに貢献した。