オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。

【初心者なのにビリヤードに誘われた】

オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

 

【遊ぶことは悪いことじゃない】

 

 

昨日の仕事は暇だった。

 

覚えたてでまだ慣れないchill(仕事中の休憩)を併用しながら過ごしていたところ、どうしても体が動いてしまう私(共用キッチンの掃除を始めた)に今日の清掃パートナー、普段は夜勤が多いジェイミーはこう言った。

 

「働き者だよね」

 

「そう、仕事中毒やの!だから気にしないで。」

 

「はい、座って」

 

「す、座るわ・・・。」

 

ジェイミーは24歳のスペイン人。

 

先ほど昼食を共にした際、父が71歳というなかなかの衝撃事実を告白してくれた青年だ。ちなみに母はその18歳年下らしい。

 

フロントのバス(筋肉大好き)はさっきまで「おかんは20歳?」と茶化していたが急に静かになった。実際にまあまあ年下だったので失礼だと感じたのだろう。

 

現在ホステルは男3名、女3名そして夜勤のジェイミーが住み込みで働いているが、ジェイミーの住む場所は夜勤のため個室である。

 

もう3ヶ月働いているので慣れたものだ、住み込みの共有キッチンにはたまにパンツ一丁で現れる。

 

仲間のインド人曰く「俺はそういうことしない」

 

どうやら男でもびっくりする習慣らしい。

 

彼と共に駐車場に数多転がるタバコの吸い殻を拾い終わった後、仕事終了までは15分ほどだった。

 

「ビリヤードやったことある?」

 

「ない!」

 

「じゃ教えてあげる」

 

ホステルのフロントにはビリヤード台がある。

 

私はありがとう、と思うと同時に「やばい」と心の中で汗をかいた。

 

コツを掴むのが遅いのでスポーツ全般、ゲーム全般、なんか誰かと競う系が全て苦手なのだ。

 

最近ではオランダで”サドルが高すぎて自転車に乗れない”という不器用事件も起こしている。

 

「君は、ストライプの球を落とせばいいの。僕は色のついた球ね。ここの線から上に落とさないとダメだよ。で、落とせたら後一回打つことができる。」

 

”Blah Blah Blah...”と続くルール説明にとりあえず見よう見まねでやってみることにした。

 

結果、ジェイミーは負けた。

 

落としたらすぐ負けになる8のピンボールを落としてしまったのだ。

 

後ろから張り付くように見つめる真っ黒の瞳をプレッシャーに感じたのか、「嘘だろ〜」と悔しそうな24歳。

 

「ビリヤードって、スペインではみんなよくやるん?」

 

「いや、そんなに有名じゃないかも。飲みに行ったら、たまにやる。たまに。俺もあんまりやったことないけどバーとかにある。」

 

素直に「めちゃくちゃ飲み歩いてる」と言えばいいのに、24歳ってかわいいなぁとお肌の曲がり角を迎えた30歳は微笑ましく思った。