オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【こだわりは、安定の上にやってくる】
私の日本での生活を”掃除”をベースに記録する。
起床後、シーツを2日に一回洗濯しているため、剥ぐ。
マットレスを壁に立てかけた後、コロコロでマットレスの裏側についた髪の毛を取る。
夏は上半身裸で寝ているので、特に洗濯機に放り込むものはないが、冬は毎日寝巻きのシャツを洗うためシーツと共に洗濯機へダンクシュート。即座に回す。
ちなみに、ズボンは3日に一回程度だ。
10分間、回している間にトイレに行く。トイレに行ったら、必ずどこかを掃除する。
大仰なものではなく、例えば床に落ちているトイレットペーパーを拾うなどだ。
トイレを出て顔を洗ったら、そのタオルを脱衣所の手すりにかける。
その日ずっと、自分の手拭き用として使うためだ。
昨夜、自室に持って行っていたタンブラーをキッチンに持っていき、洗う。
朝食後に、食器とタンブラーをまとめて食洗機に入れる。
家を出る前までに自室の床も、コロコロをかける。
猫を飼っているので、1日一回のコロコロは欠かせない。大量の白い毛が取れる。
リビングに行き、猫がひなたぼっこしている横で、段ボール箱の中に散らばる爪やヒゲを拾う。
朝だけでこれだけの掃除をしている。
それでは、私がオランダに来てからの掃除を紹介しよう。
起床後、すぐにトイレに行って着替える。ドミトリーに寝泊まりしているので、自室では着替えられない。
着替えた後、トイレの床に落ちているゴミを拾う。
スタッフのキッチン(水道が使えない)で朝食後、ルームメイトの誰かがいつも片付けていないので、自分が使った食器プラス、手に持てるだけの食器を持ってホステルのキッチン(水道が使える)に向かう。
夕方、今日着た制服と靴下、など1日分の服を洗う。
洗濯機が壊れているのでこっそり階段を登り、ゲスト用のシャワールームにある大きなシンクを使って手洗いする。
ところで、洗濯機が壊れてから2週間経つが、果たして洗濯機は”自然治癒力”があるのだろうか?
寝る前、ベッド周りをマスキングテープでペタペタ掃除して髪の毛を取る。
以上が私のオランダでの掃除だ。
明らかに、掃除の数が減っている。
日本で使っているのと同じタンブラーを持ってきたが、洗うのは4日に一回になった。
日本に住んでいた頃はスニーカーを帰宅後に毎日ウェットティッシュで拭いていたが、それも1週間に一回になった。
日本での掃除にこだわっていた日々が懐かしいが、私は気付いた。
掃除にこだわれることは、生活が安定しているという証拠だ。
初めてのワーホリで必死に働いて、会話についていくことすらが厳しい今は、掃除に構っている暇がないのだ。
どうせ、キッチンのゴミ箱にはフタがないから、コバエがたかっているのに。
どうせ、駐車場にある大きなゴミ集積所は、ゴミ集積所というよりはハエの集合住宅なのに。
どうせ、道端には犬のうんこが落ちていて、見たことない青いメタリックのハエがたかっているのに。
オランダ特有の”ゴミ”に対する執着心のなさも掃除をないがしろにすることに拍車をかけている。
いつか、掃除にこだわれる日が来たら、それは生活が安定してきた証なんだろう。
もしくは、オランダの路上から犬のうんこがなくなった証だろう。