オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。

【オランダの病院で働いている 8】

【オランダの病院で働いている 8】

 

オランダの12000人くらい医者と生徒と従業員がいる巨大病院で働いている。

 

言語が分からなくても音楽は伝わる、楽曲の持つパワーは偉大だ、とは何度か耳にしたことのある言葉である。

 

海外のフェスに出たミュージシャンや海外でツアーを行ったミュージシャンの口から聞いたことのあるその感想はえらくかっこいい。

 

私の経験から紡ぎ出される言葉はそれと近しいが、痛くてカッコ悪い。

 

おちょくられる人間に、国境はない。

 

 

先日、私はシフトが組み替えられていることに気づかず出勤してしまった。

 

何が起こったかと言えば2時間早く職場に来てしまったのだ。

 

自分の名前が表にないことは気にせず、適当に忙しそうなポジションを手伝っていた時のこと。

 

後ろから遠慮がちにちょんちょんと肩を叩かれ、振り向くとそこにはシフト担当のクリフテンがいた。

 

「今日お前、11:30からやで」

 

クリフテンはいささか恰幅が良くブラックマヨネーズ小杉さんに似ている。

 

「え!嘘!間違えた!」

 

そんなことは初めてだったので慌てていると小杉さんは言う。

 

「落ち着いて。よぉ聞いて。今日は忙しいからこのまま入ってもらうけど、シフト通りに終わってほしいねん。やから2時間残業って形で給料つけとくで」

 

シフトを変えた後ろめたさからか、機転を聞かせてくれた。

 

その日ぐったりとして帰路についたことは問題ではない。

 

翌日が問題だったのだ。

 

そろそろ終業時間というところでオランダ人のヒューゴに声をかけられた。

 

「今日は8時間労働でよかったね」

 

ああん?と返しそうになったのをグッと堪えて「幸運にもね。今日はツイてるから」と返事した。

 

小学生の頃、名探偵コナン灰原哀に憧れた経歴を持つ私だ。

 

私はできうる限り極めてクールに努めた。決して「うるせぇ!」と慌てて言い返したりしない。

 

数分後、その日のチームリーダーであるブラックマヨネーズ小杉さんが話しかけてきた。

 

「お前の次のシフトは木曜な」

 

「わ、分かってるよ!」

 

てっきり「また明日ね」など別れの定型文を言われるだろうと思っていたので面食らってしまった。

 

「木曜日の11:30やで」

 

「分かってる!今週のシフトは自信あるの。何回も確認したもん、昨日のミスから今日までの間に」

 

「ちゃんとシフトの写真撮った?」

 

「撮った!」

 

その話を聞いていなかったナイジェリア人のモーゼスに帰りしなに「さようなら」と声をかけた。

 

「あれ、もう帰るの?今日は2時間残らないの?」

 

残らねぇよ。

 

なんで個別に茶化してくるんだよ。

 

あれ、モーゼスにシフトを勘違いしていたことって話したっけ?

 

話していないぞ?誰から聞いたんだ?

 

なんで1日でこんなに広まっている?

 

そもそもなんで全員私がいじられキャラって分かってしまっているんだよ。

 

せっかくいじられキャラになっていた日本から脱出できたと思ったのに、どこに行っても同じじゃないか!

 

今後も年下に舐められないように善処していくが、結果が伴わなさそうである。