【オランダの病院で働いている 6】
オランダの迷子になるくらい大きな病院にある中くらいの食堂で働く日記
職場には同じ名前の同僚が何名かいる。
先日紹介したナイジェリア人のモーゼスも例外ではない。
彼以外にモロッコ人のモーゼスと、オランダ人のモーゼスがいる。
アレックスも合計3人もいる。コピーアンドペーストしたコピペ人間ではなく、見た目も年齢も全く異なるアレックスが三体いる。ロボットみたいに言うな。
中国人のアレックスと、オランダ人のアレックス、そしてマケドニア人のアレクサがいる。
アレックスもアレクサも私のミニミニお脳では”ほぼ一緒やん”に分類されるのでここで紹介させていただく。
上記の6名を覚えきれなくても今後の展開には問題がないので読み飛ばしてもらって構わない。
先日、円卓でいつものように皆と喋りながら休憩していた時のことだ。
「べキールはさぁ・・・」
同僚の一人が私がモースだと思っていた人物に「べキール」と声をかけた。
モースじゃないの?
毎週7:30開始のシフトに入っているその手が大きい男はモースではなかったか。
まだ肌寒い春先にトレーナー一枚で出勤してくる、明らかに車出勤のモースではないのか。
私はすでにここで5ヶ月働いており、その間ずっと名前を勘違いしていたとは思いたくない。
5ヶ月も経っているのか、もう半年になりそうなのか。時の流れとはあまりにも恐ろしい。
あれ、ってかさ、一回「モースおはよう!」って挨拶したことなかったっけ。
普段は名前を呼ばないのだが、あの朝はいつもより元気よくハキハキと名前を呼んでみたのではなかったか。
おいおい元モース。
「モースって誰やねん」って言ってくれよ。
その時に気づけたじゃないか。あれって年末の話だった気がするぞ。
年内に気づけたじゃないか。年を跨ぐ前に君の名前を知りたかったぞ!
元モース現べキールに責任転嫁することに成功した私は、実はもう一人いるべキール(少年)がべキールなのか不安になったので同僚に聞いた。
「べキール、二人いるよ。あってるよ」
少年べキールがいるから、べキールなんて変わった名前がもう一人いるとは思わなかったんだ。
言い訳はこのくらいにして、さっさと名前くらい覚えなおそう。