オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【これでいいのか】
オランダの都市部にて、夜中4時くらいに鴨が鳴くので毎回律儀に起こされている。
私は今日、自転車の返却予約をした。
私の利用しているレンタル自転車屋さん"Swapfiets"はオランダの各都市に店舗があり、私は地元駅よりバイト先の駅前に置きたいなと感じ始めていた。
しかし、数駅先まで電車でえっちらおっちら運ぶのは面倒だ。
というわけでバイト先の駅前に同じ店舗があると確認済みだったので、古い自転車を借りている店舗に返却し、
新しい店舗で新しい自転車を受け取る手はずを整えたのだ。
この交換手数料は定かではないが無料なので、電車で運ぶのが億劫な面倒臭がり屋にはピッタリのプランと言えよう。
さて、最近のオランダは飲食店を除き全てが予約制だ。
私は返却の前に急に猫カフェに行きたくなってしまい、結果的に間に合わないギリギリの時刻に予約をしたことになった。
そう、ハナから10分くらい遅れて到着する予定だ。
とはいえ、閉店までは2時間以上残っている。
それでも私は”早めに着かないと”という魔物に取り憑かれている。
今も猫カフェにすら行っていないのに
「ああ、この後遅刻してしまうな」と気の早い気後れが始まっている。
この”数分の遅刻でも申し訳ない症候群”はどこからきているのだろうと考えた。
ホテルだ。
新今宮のホテルで働いていた時のことだ。
単身のゲストはあまりしないが、ペアや家族で来るゲスト、しかも日本語話者は大抵この電話を事前にかけてくるのだ。
「チェックイン、予定より少し遅れます」
正直なところ、チェックインの時間がホワイトボードに記載してあって”XX様は17時に来られます”と全員が把握しているわけではない。
そういうホテルもあるのかもしれないが、よほどラグジュアリーなサービスを提供していると予想できる。
何故なら100組以上チェックインする日もザラにあるからだ。
なので、その電話は”20時に来るなら少し混んでる時間帯かもな”と頭の片隅に置かれるだけである。
もしくは、忙殺されてそんなことすら忘れる。
もしホテルのチェックイン時間から少し遅れることに気後れしている方がいれば、私はこう言いたい。
誰も気にしていない
忙しすぎて、電話があったことすら忘れることがある。
しかし、私はこの丁寧な連絡で悪い印象を持つことは一切ない。
だからこそ、自分が遅れる時に罪悪感が二乗になってしまうのだ。
あんなに丁寧な連絡をできる人が世の中に入るのに、自分は・・・。
気持ちを平穏に保って生きていくにはこれしかない。
誰も気にしていない
今日中に着けばいいのだ。
バカボンのパパのような締めくくりになってしまった。