オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。

【この記事は差別的な内容を含みます】

オランダに住んでいる人(31歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

【アフリカの話】

 

オランダの住宅街にて、毎日鼻をかんでいる鼻水ずびずびな日々を送っている。

 

私はオランダに来る前、ホテルのレセプションで働いていた。

 

多国籍な人々と接する仕事だった。

 

中国とタイ、そしてベトナムのツアー会社と手を組んでいたホテルだったのでアジアのお客様がメインだった。

 

最初はツアー客しか受け入れていなかった、しかしそれでも利益が上がるほど山のようにツアー客が来てくれたホテルなのだが、空き部屋に個人のお客様も入れるように方向転換していった。

 

これを業界ではFIT(Foreign Independent Traveler)呼んでいる。

 

FITの国籍は大抵ヨーロッパかアメリカだった。

 

彼らはツアーを利用しないで、全部自分で手配するのがを好む傾向にある。

 

その中でも少なかったのはアフリカ系のお客様だ。

 

さて、そのFITの中でも珍しい国からのお客様がいた。

 

ザンビア(アフリカ)だ。

 

彼は始め、アメリカのパスポートを出し、予約名の検索に私がもたついていると、二つ目の国籍であろうか、ザンビアのパスポートもフロントデスクの上に置いた。

 

別に空港ではないのでパスポートの提示(全部)を求めているわけではないのだが、「もう一個パスポートを出さないとダメかも」と思ったのかもしれない。

 

その間、私が新米なこともあって無言だったがフロントを支配する威圧感のようなものに少し苦手意識を覚えた。

 

無言だが、「早くやれ」のオーラを出すあの手の人だった。

 

 

 

その後、ホテルに新しい従業員が雇われた。

 

初めてのアフリカ国籍の従業員だった。

 

もう名前は忘れてしまったが、確かガボン出身だったはずだ。

 

私は「ガボンから何故またこのホテルに・・・」と思ったが、従業員の半分はインドネシアもしくは台湾国籍の多国籍ホテルだった。

 

彼も居心地が良さそうと考えたのかもしれない。

 

結果、彼は夜勤中に私と一言話しただけで辞めてしまった。

 

多分1週間もなかったであろう。

 

今までホテルでは見たことのない”人の指示を聞いているときもずっとイヤホンをつけている”なかなかパンチの効いた勤務スタイルだった。

 

日本語を勉強中とも聞いていたが、勤務中はずっと英語で喋っていたようだ。

 

社内の公用語は日本語とされていたのでこれもあまりよろしくない。

 

この二つのことがあって、私のオランダ渡航前までのざっくりとしたアフリカへのイメージはあまり良くないものだった。

 

 

 

さて、話を先日に戻そう。

 

配達中、目の前をきゃっきゃしながらチャリを漕ぐ恐らくアフリカ周辺出身の少年らがいた。

 

遠くから「早くどかないかな」と電動チャリを飛ばしていたのだが、意外にも彼らは道を開けてくれた。

 

後ろからチャリが来ていてもどかない少年少女たちは結構いるので、ありがたい。

 

さっと通り過ぎようとすると目の前の少年は後ろを振り返りながらこう言った。

 

「コロナ」

 

 

 

火炎瓶を投げつけてやろうかと思ったが、残念ながら手元になかった。

 

この少年も仲間がいなければこの馬鹿みたいな発言をする勇気がないのは分かっていた。

 

道も街中ではなく、郊外の外れだった。

 

今なら大人たちにバレずに、仲間内の前で「あのアジア人に言ってやったぞ」と胸を張れる。

 

そんなふうに考えたのだろう。

 

私は少年たちの小さな順位争いに辟易しながら、何の反応もせず通過した。

 

 

 

しかし、これでまた私のアフリカへの印象が悪くなってしまった。

 

このままのスピードで世界が回ったら、私はその場のノリで揶揄する少年たちよりもっと根の深い憎悪を持ってしまう。

 

どうにか心象を消してくれるような良い人と出会えないものだろうか。

 

最近の悩みである。