オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。

【アヤックスは大富豪】

オランダに住んでいる人(31歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

【開いてないの!?】

 

オランダの住宅街にて、家の近所の森に野鳥がたくさん訪れるので双眼鏡が欲しいなと思う日々を送っている。

 

先週末、私は好きな選手のいるクラブの試合を観に行った。

 

ナイメーヘン

 

ドイツとの国境に位置する東の端のこの街は、美術館に当たり前のようにドイツ語の解説があり、ドイツからのお客さんが多く来るのだろうなと窺える街だった。

 

そこを本拠地とする”NECナイメーヘン”のスタジアムは中央駅から自転車で12分だった。

 

オランダあるあるだが、どのスタジアムも最寄りの駅は存在するものの、そこから10分は歩く。

 

最寄りの駅で降りて10分歩くよりも、どうせ試合後に街ブラするので少し離れた中央駅でチャリを借りて向かうことにした。

 

試合開始1時間前以上だったため、まだスタジアムへの道も空いていた。

 

スタジアム自体は2時間前から開場しているが、とにかくオランダの人々はぎりぎりに来る。

 

開始10分前くらいから一気に席が埋まるのだ。

 

では10分前に現地に来て急いで入場するのかと聞かれれば、違う。

 

彼らは開場時間にやってくるもののすぐには入場せずスタジアムの前にたむろし、一部の猛者はスタジアムには持ち込めない缶ビール(持参)を開けて試合の前に一杯やるのだ。

 

初めてこの光景を目撃した時は呆れたが、週に一回のお楽しみをより特別にするにはいい文化だなとも感じた。

 

 

 

スタジアムに着くと、思ったより人がすでに集まっていた。

 

臨時の小さなショップもオープンしているようだ。

 

私の好きなクラブ、アヤックスだと臨時のショップは3店舗は出るが、ここでは1つのようだ。

 

今日は小学生の団体客がいるらしく、チケットブースの前で先生から説明を受けている。

 

私は予約したチケットを受け取る際、半分あっていて半分間違っている予約名を見てにっこりした。

 

「それが私です」

 

嘘つけ。

 

半分私ではなかったが、チケットブースの彼女は私が差し出した身分証をろくに見もしなかったので何も問題はなかった。

 

さて、早く来た理由であるファンショップへ向かおう。

 

ファンショップとはグッズ売り場だ。

 

グッズ売り場、よりお金の匂いが薄れるので私はこの名前が好きだ。

 

アヤックスの場合、試合日はファンショップがごった返し入場待ちの列ができるほどの盛況だ。

 

ファンショップのありそうなメインゲートに向かい、入り口でぺちゃくちゃ喋っている警備員4人に伺った。

 

「ファンショップってこちらですかね?」

 

一番背の低い彼女が、満面の笑みで答えてくれた。

 

「今日は日曜だから営業してないよ」

 

WHAT?

 

「だから外に出てるミニショップで買ってね」

 

確かに、試合の日は日曜日だった。

 

しかし私はオフィシャルサイトで”ファンショップは試合開始の90分前から試合後30分営業しています”と確認済みだ。

 

そのファンショップとは、常設の大きなファンショップではなく、あの2畳くらいの小さな箱のことらしかった。

 

今シーズンは残り2試合の終盤を迎えている。

 

今季のグッズにもはや新商品は出ないだろう。

 

来季のユニフォームも発表前だ。

 

それでも、試合の日には開けようと思わないか。

 

売上めっちゃ見込めるだろ!?

 

私は頭にいっぱい?マークを浮かべながら、警備員たちに背を向けた。

 

 

無事に小さな箱で目当てのマフラータオルを入手したが、その際にも「?」を浮かべる出来事があった。

 

マフラータオルの柄を選んでいる時のことだ。

 

お店の人は丁寧に全部の柄を広げて見せてくれた。

 

4種のタオルはどれも背番号のプリントがなかった。

 

アヤックスでのマフラータオルといえば、クラブの柄だけのものもあるが、選手の顔がプリントされたマフラータオルも定番だ。

 

背番号と顔が描かれているので、身につけている人の推しが一瞬で分かる優れものである。

 

「背番号の書いてあるやつはある?」

 

お店の人の回答はこうだった。

 

「ないよ」

 

その言い方はまるで、そういう商品が存在しないかのようだった。

 

私は帰宅して、オフィシャルサイトの通販ページを調べた。

 

なかった。

 

元からなかった。

 

アヤックスがどうやら、オランダでは大金持ちクラブであることを認識した1日だった。