オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【初美容院】
オランダの都市部にて、近所に5つもスーパーがあってこんなに幸せでいいのかよと思う生活を送っている。
本日、オランダで初めて美容院に行ってきた。
私は何故か最後に行った日本の美容院にて、パーマを当ててきたので、それを維持したかった。
しかし、異国でパーマ?
ヘアカットもセットで?
そう考えるとなんだかハードルが高く億劫になり、気づいたら最後のカットから6ヶ月が過ぎていた。
毛量おばけ(私)にとって、6ヶ月がどういう意味を持つかご存知だろうか。
頭が爆発するのである。
木が森に進化するのである。
森がもう少しで、一回入ったら二度と出られない魔窟になろうとするとことで今回の美容院予約に至った。
魔窟突入直前の私は、部屋にいる時は輪ゴムで長い前髪を縛っていた。
そう、見た目が大変よろしくなかった。
予約に関しては、電話は煩わしいのでネットで予約できるチェーン店舗を探していた。
理由はチェーンの方が、安そうだからだ。
駅前に条件と一致する店を見つけ、パーマとカットの項目を選び予約を済ませた。
予約の日の朝、店から電話がかかってきた。
私は寝転びながらラジオを聞いていたので「寝坊したか!?」と慌てて飛び起きた。
「今日、本当にパーマしますか?」
そりゃ予約のページでわざわざタップしたんだからするに決まっている。
「はい、そのつもりです」
「うちは長い髪の人にはやってないけど、あなた長くない?」
私は引くほどショートカットだ。
「ショートなので問題ないと思います」
「じゃ、カールが出来るかどうか来てから試しますね」
そんなことは初めて言われたので頭の疑問符が消えないまま店に向かった。
店に着くと一番ベテランっぽい恰幅のいいお姉さんが対応してくれた。
説明は、日本と変わらずパーマを維持しにくい髪質の人もいるので1日で消えたからって怒らないでねとのことだった。
私は大学生の頃、パーマを当ててムースなどで維持しなかったので1ヶ月で消滅した過去を持っている。
そこら辺のケアは万全だ。
「問題ないです。そういうことで文句は言いません!」
意気揚々と返事をした。
すると彼女は私のパーマを当てるにはいささか短い髪と格闘しながら口にした。
「美容師をはじめたての頃ね、16歳だったかな。その店の店長は若い子になんでもやらせたがる人でね、中国のお客さんのパーマを担当したの。
その人の髪!巻いても巻いても終わらなくて泣きそうになったわ!」
私は彼女のトラウマを呼び起こしたらしい。
「そんでその勤務終わりに家に帰って両親に"美容師辞める!"って泣き喚いたわ」
大トラウマを呼び起こしたらしい。
そこから27年経っても、まだ美容師の彼女はもはやパーマは得意分野と言っていいだろう。
素敵なパーマを当ててくれた彼女に敬意を表したい。