オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【納得のいかない表現】
オランダの都市部にて、なんとなく二つ目の仕事を始め、今週三つ目に手を出そうとしている。
私は先日美容院に訪れたのだが、かねてから美容師さんに言われていて疑問だったことがある。
「お客さん、毛量多いですね」
これだ。
私は毎日自分の髪を手に取り、洗い、セットしているのでこれが標準の量だ。
美容師さんは毎日何人もの髪を手に取る。
だから彼らにとって私は”多い”に分類されるのだろう。
しかし、「多いですね」と言われたところで、
返事は「そうですか?」しかできない。
何故なら、前述の通り毛量は私が基準だからだ。
では家族と比べたらどうだと聞かれれば、
私の髪の毛はおそらくこの人の遺伝子を受け継いだであろう母は、50を過ぎても髪をすいてもらわないと1ヶ月で学校のほうきのような頭になってしまう。
会社のほうきではない。
学校の、枝か何かで作られたあの茶色いほうきだ。
では父はと聞かれると、母よりは短髪なので多少マシであるが、毛が太い。
祖母は幾分髪の毛が細く、まとめやすそうだったが、残念ながら母はそれを受け継がなかったようだ。
禿げ上がる心配のない家系で安心だが、これからも美容院を変えるたびに「毛量が多いですね」と言われ続ける運命にあるのだ。
自己暗示という言葉がある。
私は「毛量が多いですね」と言われ続けることで年齢により減るのではなく、むしろ増えているのではないかと感じる。
全然減らないのだ、奴らは。
毎晩寝る前に「そんなに多くないよ。あと、まとまりやすい柔らかい髪だよ。枕に刺さって抜けないなんてことないよ」と暗示をかけた方がいいのかもしれない。