オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【俺の一日】
オランダの田舎と思いきや意外と都会だから、駅から降りるともれなく全員驚く町のホステルにて住み込みで働いている。
私の1日を時間ごとに追っていこう。
9:30、起床。
部屋はスタッフ用ドミトリーだ。朝食シフト以外は寝ているので、なんともお寝坊さんが多い。
三つの窓から刺す日光は、毎晩誰かがカーテンをしっかり閉めていないので眩しい。
その割に暖かくないので東欧にいるのだと感じる。
のっそり起き上がり、着替えを引き出しから出す。
この引き出しは合計12個あるので一人2個だと勝手に解釈して二つ使っている。
しかし私の使っている引き出しの一つは枠がはずれて壊れている。
そのため、引く時はいいが押す時に「きぃいいい」とまあまあ嫌な音がする。
一番上の引き出しで、位置的に使いやすいので無理して使っている。
部屋を出るとまず階段を登る。スタッフ用ドミトリーは半地下にある。
まずは一階に行ってこれもまたスタッフ用トイレで着替える。
スタッフ用トイレは清掃シフトが「余裕のある時」に掃除するので、お客様用トイレは毎日清掃するのに、二日三日放置もザラだ。
今朝はトイレットペーパーが残り少なかった。
昨日の清掃だったポルトガルボーイは、そういうところに気が利かない。
冷えた廊下を歩いて同じ階にあるスタッフ用シャワーへ向かう。
シャワールームは洗面台に髭が飛び散り、誰かが放置したバスタオルがくしゃくしゃになって床に広がり、ガラスの向こうのシャワーヘッドは私のはるか上空に収まっている。
高身長ひょろひょろフランス人の使った後は必ずシャワーヘッドがフリーフォールよろしく上に上がっている。
さて、シャワーは無視して洗面台で顔を洗おう。
思いっきり背伸びして洗顔石鹸を手に取る。
備え付けの棚は背伸びしなくていい場所にもあるのだが、なんだか腹が立つので三段あるうちの中間に場所を取った。
もっと下に置けばよかったと今も思っている。
顔を洗って外に出ると、廊下から駐車場のベンチとテーブルが見える。
朝早くからオンライン授業を受けている生徒もいるが、今日は誰も座っていなかった。
いつかの夜の残り香、アムステルビールが机に無造作に置かれていた。
部屋に戻ってタオルと引き換えに朝食を引き出しから出す。
りんご、アーモンド、もらったお菓子など。
冷蔵しない食品は部屋に置いている。
数日前、キッチンに手のひらサイズの巨大なネズミが出たのでキッチンの棚から全て撤去したのだ。
朝食とスマホとメイク道具を持って隣のスタッフ用キッチンへ行く。
スタッフ用キッチンは10人は座れそうな広いテーブルと椅子があるが、シンクが壊れているので過疎化が進んでいる。
ほとんど朝も夜も私しかいないのだが、ど真ん中に座らず端っこに座りYouTubeを観ながら朝食を頂く。
メイクは朝食の後に眉毛とアイシャドウ、アイライン、マスカラでさっと終える。
マスクをしなくていいからベースメイクがオランダで復活するかと思いきや、ベースメイクをしないと20分は短縮できるのでつい先日、リキッドファンデーションを捨てた。
YouTubeを観ているとあっという間に勤務開始の10:30になるので、5分前に部屋に戻ってものを引き出しに戻し、清掃用ポシェットを取って一階に向かう。
このポシェットには、プラスドライバー、イヤーポッズ、ボールペン、メモ、そして後でゴミ袋を入れる。
ゴミ袋は清掃中、清掃カートがないけど急に入り用になるもの一位だ。予備で入れておく。
みんなポケットに収納し、こういうポシェットを持ち歩いているのは私しかいないので、よく清掃の相棒に「書くものある?」など聞かれることが多い。
さて、清掃のリストをもらうため一階のフロントに行く。
ポルトガルボーイとインド人は早めにバーに行ってコーヒーを飲んでからフロントに行くことが多いが、私は朝にコーヒーを飲む習慣がないのでギリギリに向かう。
フロントで今日の清掃の相棒に会う。
もしフロントがチェックアウトで混んでいると、「バーでコーヒーでも飲んできて!」と開始時間がなんとなく押す。
リストをもらって、チェックアウトとの関連から清掃する部屋の順番を相談する。
倉庫は四階なので大体エレベーターで会議が始まる。
その際に乗るエレベーターが、信じられないくらいゆっくりなのはもう慣れた。
さて、長くなったので続きはまた次回にしたい。
次は休憩のランチからお伝えしたい。