オランダに住んでいる人(31歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【嘘だと思いたかったが無駄だったようだ】
オランダの片隅にて、そんなに暑くないが「今日は暑いね」と言われたらとりあえず「そうですね」と返すお世辞を覚えた私がお送りする。
週末をまるまる使って、イギリスに行ってきた。
イギリスと言えば、ビッグベン、ハリーポッター、プレミアリーグ。
それ以外特に出てこない、つまりイギリスにあまり興味のなかった私が面白いと感じたものは、道路事情だった。
かの有名なロンドンバス、いわゆるダブルデッカー(二階建てのバス)だが、これを私は観光客用だと思い込んでいた。
違ったのだ。
ローカル線も何もかも全てダブルデッカーなのだ。
そうするとどうなるか。
荒天の場合は、真っ先に雷が落ちそうなくらい高かった。
ナウシカの巨神兵の位置に標識を置くとオープンカーから頭が飛び出ている巨人にしか標識が見えなくなるので、全ての標識は運転席側、つまり左側に置かれている。
これがオランダから車で来た私たち(同居人と同居人家族)には罠だったのだ。
イギリスは日本と同様、左車線の左ハンドルだ。
そしてオランダは右車線の右ハンドルだ。
オランダから右ハンドルの車で行くとどうなるだろう。
そう、ドーバーを越えれば泣きたくなるほど標識の見にくい国にたどり着くのだ。
駐車券も標識も何もかも左側に位置し、助手席に人なしでは絶対に目的地にたどり着けない鬼仕様となっている。
おまけに忙しい街なので、ラウンドアバウト(信号のない環状交差点)が二車線だった。
同じタイミングで馬鹿でかいトラックが侵入しようものなら、そのトラックを信じて一緒に侵入するしかなかった。
何故ならこっちからはなーんにも見えないからだ。
そして、オランダではあちこちで見かけるゼブラパッド(横断歩道)だが、ロンドンの繁華街ではほとんど見かけなかった。
かといって時間に追われている、色々見て回りたい観光客が信号でお行儀良く待つわけではない。
思い思いのタイミングで道を右往左往するのだ。
それをロンドンバスの2階から眺める恐怖と言ったらなかった。
”この人達、バスのことを信用しすぎでは・・・?”
しかし、そこで私は気づいたのだ。
オランダのバスは道路の王様であるが、(特に自転車に乗っていると蹴散らさんばかりに抜かされる)
イギリスでは安全運転なのだ。
他の国から車で行くと痛い目を見るイギリス、行ってみて分かることだらけで飽きなかった。