オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。

【あれはそんなもんよ】

オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

【あんた達よく間違えてるよ】

 

 

オランダの南部から都市部に引っ越して、人の多さに毎日圧倒されている。

 

先日、部屋の内見に行った。

 

私が探しているのは一人部屋ではなく、せっかくの異国滞在なので友人が欲しくて、シェアハウスだ。

 

前々回はドイツ人の面接、前回はコロンビアガールとのキッチンで立ち話、そして今回は韓国ガールが案内してくれた。

 

 

韓国といえば、私が大阪で働いていたホテルのレセプションの5割が韓国出身だった。

 

そのホテルは語学学校と提携しており、アルバイトは日本語を勉強中の留学生がほとんどだった。

 

かくいう私は、高時給に目がくらんだフリーターだった。

 

レセプションのアルバイトで、私だけが日本人だった。

 

ベトナムインドネシアの子達がベッドメイクに多く入っているのに対して、韓国の子はレセプションに採用されることが多かった。

 

 

そう、日本語が上手い子が多かったのだ。

 

喋ると楽しいので、よく飲みに誘っていた。

 

ホテル以外にも大阪によくある韓国グッズの売っているお店で働いている子もいたが、皆こぞって「ホテルの方が働いていて楽しい」とこぼしていたことは嬉しかった。

 

おべっかだったとは思いたくない。

 

さて、そんな素敵な印象の韓国だが、今回も素敵な印象は変わらなかった。

 

 

「私ね、アジアの子にルームメイトに来て欲しいの!」

 

これは内見前の彼女の言葉だ。

 

親しみを持ってくれて嬉しいが、なんせ6歳までフィリピンというアメリカの植民地(体感)にいた日本人だ。

 

「お前、性格はアメリカ人だな!」と後ろ指を刺されたらどうしようかとドギマギしていた。

 

 

部屋やシャワールームを見せてもらった後で、学生かと聞かれた。

 

「違うよ。あなたと一緒でワーホリ。」

 

そう、オーナーから聞いていたのだが、彼女は私より一年早くきたワーホリ。

 

つまり、先輩だ。

 

「あれ!?そうだっけ!?」

 

パッと彼女の顔が明るくなった。

 

私も目を輝かせながら聞いた。

 

「そうだよ!オーナーから聞いた。で、あなたのワーホリはどうだった?」

 

 

なんせ彼女は一年後の私と言って過言ではないのだ。

 

「うーん、去年の1月に来てロックダウンになっちゃったからねぇ。5月まで仕事がなかったよ。」

 

5月から仕事があるだけで素晴らしいではないか。

 

 

彼女は私が求職中(実質無職)と知らないのだ。

 

 

「だから5月までは浪費してた。しかも仕事は韓国料理屋なの」

 

韓国料理!

 

スンドゥブやらチゲやら、どれも美味しい。

 

ハズレなしではないか。

 

 

少し自信なさげな彼女に、私は数ヶ月前の自分を重ねた。

 

ホステルで働いてるの、週5日も。

 

週4日は清掃なんだけどね。

 

仕事は毎日代わり映えしないし、給料が出ないから褒め言葉しか心の栄養にならないの。

 

今思えば、滞在費を稼いでいるんだから立派な仕事だ。

 

どうして人は、今やっていることに自信が持てないのだろう。

 

自らが選んだ道なのにおかしいではないか。

 

今が楽しくなくていつが楽しいのだ。

 

 

「韓国料理めっちゃ好きだわ!」

 

どんなフォローしとんねん。

 

思わずそんな言葉が口から出た。

 

「あ、あと名前の発音これであってる?」

 

部屋を去る前に彼女に確認した。

 

「んー、日本人絶対その発音するけど違う。まあいいよ、友達の男の子からもそう呼ばれてるから。あと、キムチの発音君たちいつも間違ってるよ。キムチ、ね!」

 

 

失礼しました。

 

こうして正しいキムチの発音を数秒で忘れてしまった私は、無事に部屋の契約を獲得した。

 

ついにオランダで住む部屋が決まった。