オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【素敵なルームメイト紹介】
オランダの大学都市にて、やっと借りられる部屋を見つけたので浮かれ気分で毎日を過ごしている。
私が滞在している民泊(ホテルとは到底呼べない)には、ひとつ年下の同性の子が滞在している。
彼女は日本人で、更に私が大学に通っていた県出身なので、一気に仲良くなった。
彼女の使う言葉が、なんとも懐かしく私に響いたのだ。
彼女は日本で病院に勤めており、たびたび職を離れてはワーホリに限らず、世界中を旅しているとのことだった。
また、日本に戻った際には同じ職場で働いたこともあるらしい。
なんて憧れる生き方なのだろう。
ホテリエなんて、正直給与面ではカツカツだ。
今まで何度、「テレビの製作会社にいた方が明らかに給料が良かった」と思ったことか。全然興味のない仕事だったくせに。
世界中から来たお客様に毎日接するが、私といえば毎日同じ街にいて、何やってんだろうと感じる日もある。
それが生きるということなのはもっとあとで知った。
更には他にいくらでもホテルがあるのだから、前の職場に戻ろうと思ったことなんて一回もない。
常に隣の芝生が青い状態だ。
ところで私は、”隣の芝生は青い”という言葉が大好きだ。
一時期、部屋の箪笥に紙に書いて貼っていたほどである。
”隣の芝生はどうせ青いから見るな”
尊敬する作家のカレー沢薫先生がおっしゃっていた言葉だった気がする。
それか、オリジナルで生み出してあまりにも気に入っているので勝手に作家の言葉にしてしまったのだろう。
いずれにせよ、目移りする私にはぴったりの言葉なのだ。
どうせ青い、だから見るな。
どうせ青い、だから今の芝生の色を感じろ。
私は今、芝生の消え去った水分のない割れた大地に住んでいるが、それでも感じることは忘れたくない。
どんだけクソみたいな民泊でも、毎日帰ってくるんだ。
今朝、「シーツを洗濯して欲しい」とオーナーに頼んだら、
「シーツは自分で洗濯してください、洗濯機は2ユーロ、乾燥機は4ユーロです。」と己の民泊の物品を洗っているのに金銭を要求されてひっくり返った私がお送りしました。
君にとって、私の芝生はそれでも青いのか?