オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【北風と太陽】
全員のスマホに入っているのではないかと思われるアプリを発見した。
天気予報アプリだ。
「は?そんなん日本でも入れてる人いるっしょ?」
違う。
あの日毎や、週間の予報ではない。
1時間毎に雨量と気温と体感温度がわかるアプリだ。
先日、ホステルのテラス席で仕事終わりに仲間とくっちゃべっていると、細い雨が降り出した。
レセプションスタッフのオランダ人(18)は、すぐさまスマホを開き秒速でアプリを起動し
「この雨2時間続くわ!」と声を張り上げた。
画面を見ると青い棒グラフがてっぺんまで突き抜けている。初めて見たけれども、伸び方が恐ろしい。
それを合図に隣にいたスペイン語圏グループも腰を上げた。
通り雨だからテラスにいたままでいいのか、まあまあ降るので屋内に避難したほうがいいのか。
「別に小雨の中テラスに座らなくても話は続けられるっしょ?」
オランダでは天気の良い日があまりないので、テラスに座れる日はできるだけ多い方がいいという考えから来ているに違いない。
多少雨が来ようが、テラス死守。
その他にも、昼食時こんな話になったことがある。
オランダ人(25)「来週28度になるって!」
オランダ人(40)「体感も?」
オランダ人(25)「体感はもっと暑い。これは最後の夏になりそうだね」
気温と体感温度に差があるので、特に朝と夕方は注意が必要だ。
気温だけ気にかけているといざ、外出してみたら風がびゅうびゅう吹いていて生足が凍りそうになる。
オランダの風の強さは、童話の北風と太陽に例えられる。
曇って風が強いと思いきや、正午にはカンカン照り。
でも夕方にはまた風が強くなるので、上着が手放せない。
私はこの把握しにくいオランダの天気が好きだ。
なんせ、夏でも灼熱ではないからだ。
風がある、それだけでなんと過ごしやすいことか。