オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。最近はオランダの病院で働くブログ。

【ミスター生き地獄】

オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

 

【どうしてそんなに人気なの?】

 

 

私が住み込みで働いているホステルで、先日めでたく誕生日を迎えた仲間のフランス人。

 

彼は律儀なので、私とインド人が贈ったワインのお礼に、チョコレートをくれた。

 

スイスとフランスのハーフなので、スイス製のチョコレートだった。

 

金色のパッケージに覆われた板チョコは、”Marabou”社のミルクチョコだ。

 

マラボー?あれ、日本語だと破廉恥な響きになってしまう。

 

板チョコといえど、日本の倍くらい厚さがあり、長さは私の両手分だった。

 

私とインド人はスパイシーなものが好き、塩っけのあるものが好きなので「はーん?ありがとう」と昨日スーパーで安売りしていたLaysのチップスをもらったかのようなリアクションをした。

 

その日は近所の人やホステルに宿泊している人たちがお金を払えば誰でも参加できる、” Meal Deal”=夕食会があった。

 

夕食会には、近所に住むベンガル人もやってくる。

 

インド人は彼にも、さっきもらったチョコレートを薦めた。

 

間違っても、彼自身が甘いものが好きじゃないからあげたわけではない・・・と信じたい。

 

目がくりっとしている中年太りのベンガル人は、嬉しそうに板チョコをひとかけら食べた。

 

「もう一個、もらってもいい?」

 

一口食べてフランス人の目の前で「あまっ」とリアクションしてしまった私とは大違いのいい反応だ。

 

もちろん!と笑顔でチョコをひとかけら渡すと、人が何か食べていると必ず寄ってくるナイジェリア人も隣に吸い寄せられてきた。

 

「俺にもちょうだい?」

 

ナイジェリア人は夕飯にケンタッキーフライドチキンを食べていることが多い。

 

彼は学生なので、料理が面倒なほど大学が忙しいのだろう。

 

以前、オランダの料理は甘いものが多すぎる、とのたまっていた彼の口にチョコが合うのか些か不安だったが、差し上げた。

 

その後彼は、近くを通ったフランス人に「りんちゃんにだけあげるなんて、ずるいよ!俺にもくれよ!」と誕生日プレゼントをあげてもいないのに大口を叩いていたが、華麗にフランス人に無視されていた。

 

どっちもどっちである。

 

その数分後、共同の寝室でナイジェリア人に会った。

 

「チョコ、もう一個くれない?」

 

図々しいなと思うより先に「私にとってはゲロ甘だったんだけど、そんなに美味しかった?」とオランダ人に感化されたのか率直な感想を口にした。

 

「うん、なんか丁寧な味がするよ。高級品なんじゃない?」

 

しまった、スイスのチョコレートといえばお土産にも人気の品だ。

 

Googleで検索したら、”スイスのお土産はチョコレート一択!”というページまで出てきた。

 

フランス人は、醤油の国とスパイスの国出身という、よりによってチョコのありがたみのわからない二人にプレゼントしてしまったようだ。