オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。最近はオランダの病院で働くブログ。

【意外な共通点】

オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

 

 

【君たちはどう渡るか?】

 

 

私が住み込みで働いているホステルには、インド人のPさんが働いている。

 

デリーという大都会出身の彼は、私より3週間前にホステルで働き始めたばかりなのに、とても街に馴染んでいる。

 

訳を聞くと、オランダに来る前はドイツで2年ほど働いていたらしい。

 

英語もペラペラで、心細そうなゲストに話しかけに行く優しいPさん。

 

そんな彼の後についていきながら、別棟に清掃に行った時の話だ。

 

ホステルはドミトリーがメインなのだが、別棟も存在する。

 

本館からは徒歩15分ほどで、線路沿いの空き地にぽつんとたたずむ一部屋。

 

ホステルのがやがやした感じは苦手だから、ゆっくりしたいという方に人気だ。

 

8月はバケーションの季節なので、毎日予約が埋まっている。

 

つまり、毎日往復30分かけて清掃に行かなければならない。

 

道中、線路沿いには信号のない交差点がある。

 

自転車用の信号はあるのだが、歩行者用の信号がないのである。

 

オランダあるある、道路上で一番優遇されているのは自転車なのだ。

 

だからといって、駅近くの交差点に歩行者用の信号がないのはいかがなものか?と思うが、Pさんは颯爽と自転車用の信号と共に横断歩道を渡った。

 

「ここ、信号ないよね!」

 

私は常々疑問だったことを口にした。

 

「インドではそもそも信号がなかったから。避けながら渡るの」

 

「なるほど、そうきたか」

 

「ドイツに最初に行った頃、ところ構わず渡ってたんだよね」

 

「え?危なくない?」

 

「うん、友達に注意された(笑)信号のある場所に行って渡るっていうのに慣れるまで5ヶ月かかった。でもさ、気づいたんだよね」

 

「何?」

 

「さっきみたいな横断歩道で、車が過ぎるまで待ってるのって、アジア人なの。タイとかインドとかベトナムでは、道路では車が王様でしょ?」

 

「そうね、注意してないと轢かれるね」

 

「ヨーロッパでは人に優先権があるから、堂々と渡っていいんだよ。彼らは停まってくれるよ。」

 

 

 

ヨーロッパでは人に優先権があるのなら、オランダでは自転車に優先権があるように感じる。

 

彼からの新しい情報に感謝しながら、今日も自転車に轢かれないように注意して道を歩いている。