オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【ベルギーではフェスやったらしいぞ!】
私の勤めるホステルでは、朝食担当(マックス2名)、清掃担当(マックス2名)、そしてレセプション(マックス2名)そしてたまにオーナーが昼食を共にする。
あまり大きな声では言いたくないし知られたくないが事実なので記しておくと、お客様が残された綺麗なパンや綺麗なお野菜は私たちの昼食になる。
たまに私にとっては”綺麗”じゃないものも、好きなのか片付けをしながらむしゃむしゃ食べているメンバーもいる。
それ以外の食べ物は以下の通り。
・サラミ(これも朝食メニューの一つ、お客様と同じものがまかないとして出る)
・レタス
・トマト
・きゅうり(腕くらいデカいし太い)
・黒パン(パサパサしてごまが練り込まれている食パン)
・茶パン(パサパサして何も練り込まれていない食パン)
・白パン(冷凍パンで、ホテルメンバーはナイフで横に割ってピーナッツバターを塗る人が多い。形と大きさはスリッポンに似ている)
・黒パン2(形と大きさはスリッポンに似ている冷凍パンその2。白パンとの違いは現食べてみたものの全く不明。)
これらをしんどい時には無言で、疲れていない時には喋りながら食べる。
アベンジャーズ1のラストシーンに似ている。
正直、どのパンも私の好きな”もっちり””柔らかい”には程遠いので、食べることにあまり気乗りしない。
せめて食べやすいように小さく千切っていると、オーナー(41歳)に声をかけられた。
「何その食べ方!」
このオーナーは、ババちびるくらい声がデカい。毎回腹の底から声が出ている。
どれくらいデカいかというと、一車線挟んで向かいの通りを歩く人にも声が届く。
実際に、その場面を目撃したこともある。
ホステルの前に設置されたテラスで食事をしながら、向かいの通りのビビッドピンク一色のワンピースをお召しになられた妙齢の奥様に話しかけていた。
「そのピンクイカしてるね!」
その後、メンバーに向けて言った「ほんと、イカしてると思う。」も、独り言のボリュームではなかったので奥様には聞こえていたと予想する。
声でかオーナーは情報源が多いらしく、先日こんなことを話してくれた。
「先週末、ベルギーではフェスをやったんだって!」
そこに座るメンバー全員が「まじ?」とリアクションした。
「3万5000人来たらしいよ!」
「あたおかじゃね?」「は?」「ほんとに?」
そんなリアクションをするオランダ人面々であるが、彼らは電車とバス以外ではマスクは着用しない。
昨年成立した”公共の場でのマスク着用義務化”は今年に入って緩和されたからだ。
スーパーでも、本屋でも、こうやって昼食を共にする時も、彼らはマスクをしない。
そっちの方が「ほんとに?」なことに、誰も気づかない昼下がりだった。