オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【はりぼてゲート】
私は数年前アムステルダムアレナに訪れた際、そのときは”取り返しがつかない!”と焦った間違いがある。
アムステルダムアレナはアムステルダム近郊のスタジアムで、オランダ国内の国際試合は必ずと言っていいほどここで行われる。
おおまかなアクセス方法はNS(電車)かMetro(地下鉄)である。
試合の後は、アムステルダム以外の都市から訪れた人でNSはごった返す。
地下鉄は市内にしか伸びていないので、たとえ5万人を収容した試合の後でも、比較的空いている。
アムステルダム市内は空き部屋がないほど人が多く、家賃が高騰しているから住んでいる人はなかなか聞かない。
当時の私は試合より数時間前にスタジアムを訪れて、先にアヤックスのオフィシャルショップへ出向き、仕入れ(購入)をして再びスキポール空港付近のホテルに戻るところであった。
スキポールへは、NSが直通で走っていて便利だ。
二度目のオランダ観光だったため、颯爽と改札に切符(ICチップ付きの切符。オランダでは使い捨ての切符にもICチップが使われている)を通して気づいた。
これ、地下鉄の改札やんけ。
あれ?でも、NSの切符を買って改札に通したのに、なんで地下鉄のゲートが開くんだ???
アレナ駅の地下鉄とNSの改札は、コンビニを挟んで隣接している。
また、NSの改札は2つあり、その間の改札が地下鉄となっている。つまり入口が合計3つある、なんともややこしい配置なのだ。
オランダの駅はどんなに大きくても基本的に無人で、改札の横にシュッと縦長のオランダ人みたいなポールが立っており、そのポールにインターフォンがついている。
注意していないと見過ごす存在感のなさで、今回初めてそれを使った。
もちろん最初はオランダ語で話しかけてくるので、一旦待ってから「英語でお願いできますか?」と聞いた。
「間違えて地下鉄の改札に入ってしまったんですけど、NSに入り直せますか?」
「そしたらそのまま出てください。」
「はい?」
「そのまま出れるんですよ」
「お金は引かれませんか?」
「引かれないっす」
そうっすか・・・。と通話を終えた。
恐る恐る改札にカードを通すと、開いた。
気持ち忍足でNSの改札に向かい緊張の面持ちでカードを通すと、開いた。
じゃあなんのための改札なんだ。
ICチップさえあれば、会社関係なく開くじゃないか。
ひょっとしたら、ICOCAでも開くかもしれない。