オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【山のようなオーダー、ため息のライダー】
オランダの住宅街にて、帰り道に猫を見つけたら自転車を停めて接触を試みる日々を送っている。
私は現在、ユトレヒト市内にてレストランの配達(ライダー)の仕事をしている。
1ヶ月働いてみて、こういうお店はライダーもお客さんも困るな、というお店が固まってきた。
ユトレヒトに住んでいる友人(二人)に向けて実際に存在するお薦めしたくないお店を三つ選んでみた。
前提として、味の話ではない。
私はこれらのお店を利用したことがないので、味は不明だ。
重点を置いているのは”遅延”だ。
1)Poke Perfect
写真だと店内がとても綺麗で、実際お店は明るく一人でも入りやすそうだ。
だが、この”数十席ある店内も存在する”ことが配達の遅延につながっていると考える。
受け取り予定時刻を平均20〜30分は超える。
ライダーには配達予定時間と共に、自身が商品を受け取る”受け取り予定時刻”も存在する。
早いお店だと予定時刻の前に”用意が出来ました”とアプリ上に表示されるが、このお店に限ってその表示は見たことがない。
Pokeボールのお店で働いている友人に聞いてみたが、すでに用意されている具材をちゃっちゃと米の上に盛るだけなので、本来は牛丼のようにスピーディさが売りだそうだ。
めちゃくちゃ喋っている。
私のこのお店の印象は、店員さん同士で常に喋っていて楽しそう、である。
喋っている時に手を動かしてくれればいいのだが、どうもそうはいかないらしい。
もう一点なんだかしっくりこないのが、店内のベンチに出来上がった商品を置いてくれるのだが、その紙バッグに添付してあるレシートを見て自分で商品を取りに行くシステムなのだ。
他のお店の多くはお客さんの名前を呼んで、私たちライダーが受け取るシステムだ。
小さくて宛名の見えない紙バッグが置かれるたび、ぞろぞろとライダーがベンチに覗きに行くのだ。
その上袋をドサッと置かれて、なんだかライダーへの愛がないお店だ。
2)Ritos Utrecht
またしてもPokeボールである。
こちらはデリバリー専門店なので、店内に席はない。
街の中央に位置しており、お客さんがひっきりなしに訪れる。
デリバリー3社プラスお客さんのテイクアウト。
金曜の夜、厨房に作り手が6人。
申し分ない布陣だが、私はここで40分待ってしまった。
二つのPokeを受け取るために40分。
おそらくタイミングが悪かったのだろう、厨房にベテランは一人、他は電話に忙しいオーナーと新人4名に見受けられた。
新人は盛った具材の蓋をいちいち閉じている。
閉じるな!どうせすぐ後に作るんだから!
ここの遅さには、もう一点理由がある。
Pokeボールの他に、ブリトーも作っているのだ。
このブリトーが生地を温めたり焼いたりと動作が多そうであった。
ブリトーが入ることによって、売上は増えたのだろうが、作業も増えたに違いない。
このお店はオーダーを順番に作っているので、テイクアウトで来るとライダーのように長いこと待たされる。
利用の際は、かなり時間に余裕のある時にして頂きたい。
3)SONMAT
Googleのレビューは高く、キムチとヤンニョムチキンが名物らしい。
しかし、圧倒的オススメしたくないお店である。
マップ上にも写真が上がっているが、このお店の前でライダー達がたむろすることはもはや風物詩になっている。
テイクアウト専門店で、広さが6畳一間ほどしかない。
つまり、外の細い歩道で待つしかないのだ。
これはテイクアウトで訪れたお客さんも同じなのだが、テイクアウトで来るとどうやら優先的に作ってもらえるようだ。
私より後に来店されたお客さんが先に商品を受け取っているのを目撃したことがある。
私が初めてこのお店に訪れた時、店の前には30名ほどがたまっていた。
唖然とした。
先に来ているライダーは20分〜1時間と待機時間がバラバラだった。
「私より後に来たライダーの商品がバンバン出来上がっていく」
明らかに忘れられているのだが、そのライダーの気持ちも分かる。
文句を伝えるのも忍びないほど店内はしっちゃかめっちゃかなのだ。
金曜の夜、ピークアワーで店員さんが4名。
各々に腕が6本ついているのかと思ったが、ついていなかった。
とんでもなく遅いのだが、遅い理由は単に人員不足だ。
問題は、どう見ても4名以上厨房に入れなさそうなところにもある。
無茶だ。
これだけのオーダーが入るということは、美味しいに違いないのだが、利用の際は17〜21時のピークアワーを避けたほうが1時間の遅延に遭遇しなくて良さそうである。
以上がユトレヒトでオススメしたくない迷店3選だ。