オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。最近はオランダの病院で働くブログ。

【普通のことができない人】

オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

 

【三度目の正直】

 

オランダの都市部にて、ダサいからニット帽をかぶらず自転車に乗り、帰宅すると耳がぽろっと取れそうなほど凍える日々を送っている。

 

先日、近所のATMに現金を預けに行った。

 

以前住んでいた鬼オーナーは部屋のデポジット(300ユーロ)をキャッシュレスではなく現金で返金してきたのだ。

 

300ユーロもあれば次の家賃の足しになるので、銀行に入れたかった。

 

Googleマップで検索して、一番近所の銀行へ向かった。

 

マップで確認した時は、スーパーの横に銀行があると思っていたが、実際行ってみると銀行はなかった。

 

スーパーの外に備え付けられた、オランダならどこでも見かける黄色いATMがあるだけだった。

 

とはいえここが一番家から近いので、その位置が把握できただけでもありがたい。

 

脇に自転車を止め、カードを挿入した。

 

ボタンを押せそうな場所は6箇所あるが、3つしか表示されていない。

 

現金預入(storten)の表示がしか見当たらない。

 

よく観察すると、そのATMは現金が出てきそうな透明なほっそい溝はあるが、

お札をカウントしてくれそうな預入場所、まっるいカバーで覆われた場所がなかった。

 

どうやらまっるいカバーがついたATMを探さなくてはいけないらしい。

 

並び直して2、3度トライしてみたが、やはり預入のできないATMだったようだ。

 

帰宅してパソコンでじっくり検索してみると、そのATMは現金引き出ししかできなかった。

 

現金預入の機能のついたATMは、引き出し専用よりも高いのか。

 

初めて知ったぞ。

 

名古屋市営地下鉄の、1000円しか釣り銭のないICカードチャージ機を思い出した。

 

ヨガマスターのお腹くらいぺっらぺらの機械に万札を入れて1000円分チャージすると、9枚の千円札が一枚一枚お釣りとして返ってくる。

 

お釣りの中に5000円があったとしても、恐らく1000円しか出てこないシステムになっているのだ。

 

べ〜〜〜〜、っとゆっくり出てくる千円札に何回イライラしたことか。

 

あの機械は誰かが蹴り倒して、全駅で廃止になっていると信じたい。

 

ともかく、お札をカウントする機械というのはオランダでも経費が嵩むらしい。

 

あくる日、今度はきちんと調べて預入機能のあるATMを利用しに、これまたスーパーまで行った。

 

なるほど、今度はまっるいカバーがついている。

 

隣には、これまた払い出ししかできないATMも並んでいた。

 

今度は騙されないぞ、と私はまっるいカバーの方に歩み寄った。

 

カードを挿入すると、6箇所中またしても3箇所しかボタンが押せないようになっていた。

 

預入の表示がない。

 

怖い。

 

ATM怪談だ。

 

ここで私は初めて、ATMではなく私のカードがおかしいのだと気付いた。

 

足を振りかぶってATMの弁慶の泣き所を蹴りたくなったが、何もせず家路に着いた。

 

再び帰宅してじっくり検索してみると、私が利用した日だけそのATMは預入機能が利用不可になっていた。

 

赤い文字で”一時的に利用できません”と書いてある。

 

前もって調べて、当日にそのATMマップを見なかった私が悪いというわけだ。

 

思わずMac Bookに八つ当たりしそうになったが、Appleは何も悪くない。

 

それから数日後、私はデンハーグ中央駅付近でATMを利用した。

 

ここなら一つがダメでも、替えのATMが山ほどあるからだ。

 

ATMのあるはずの位置に行くと、何もなかった。

 

店の入り口しかない。

 

帰宅してじっくり調べると”そのATMは先月をもって移転しました”と書かれているのではあるまいか。

 

店の中にあるわけはないよなと一応地下の雑貨屋さんに入ってみた。

 

あった。

 

まるで外貨両替機のように存在感なくそいつは佇んでいた。

 

諦めないでよかった。

 

ここ数日の試行錯誤が嘘のように、あっさりと現金は飲み込まれていった。

 

慎重すぎて神経質と評される私はすぐさまアプリで残高を確認した。

 

しっかりと増えている。

 

今度から、想像上でもATMを蹴ってしまわないように現金に用がある時は都会まで出ようと感じた出来事だった。