オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【完璧なクッキーと足りないクッキー】
先日、こちらに住んでから初めてユトレヒトにお邪魔した。
ユトレヒトは、観光で三年前に訪れた際、「オランダに住むならここだな」と感じた住みやすそうで自然の豊かな街だ。
その体感に見て見ぬふりをして、面接の日取りが早く決まったが故に他の州のホステルで働くことになった。
オランダに住んでから行くユトレヒトは印象が違った。
街の規模がデカい、落ち着かない、店が多い、買い物買い物買い物。
駅から徒歩20分圏内をぶらついただけだが、果たしてこんなに人のたくさんいた街だっただろうか?
どの州よりも自転車が道に氾濫していて回収に追われている街、ユトレヒト。
住むにあたって色んな知識を得たからこそ、見えてくる街の様子が以前とは違った。
さて、難しい問題について書くつもりはない。
私はクッキーについて書きたいのだ。
ユトレヒトにかねてから気になっていたお菓子屋さんがある。
日本のガイドブックで記載されていない本がないくらい有名店だが、それをホステルに帰宅してオランダ人にも振る舞った。
「美味しい!これどこの?」
日本のガイドブックでは必ず見かけるお店だ。
特徴的な洒落たパッケージだったので、一瞥しただけでオランダ人には分かるものと思っていた。
「知らないの?」
「うーん、お菓子屋さんはいっぱいあるからね」
確かにそうだ。
この街にはパン屋とお菓子屋が、日本で言うところのファミマくらい乱立している。
セブンだと言いすぎだ。
ところでセブンイレブンのことを、私のクラスではセブイレと略していた。
クラスの女子のリーダー格、みきちゃんがそう言っていたから、卒業するまで全国共通だと思っていた。
さて、クッキーのお味はいかに。
インド人「うま!これが俺の好きなクッキーだよ!」
そのクッキーは、砂糖控えめでバターたっぷりの生地が特徴だ。
私も砂糖が多い生地よりも、バターが多めのほろほろしたものが好きなので、にっこりと頷いた。君なら分かってくれると思っていたよ、と。
オランダ人「ちょっと砂糖が足りない」
まじか。
さすが鬼甘ストロープワッフルをエスプレッソでなく、カフェラテに浸すこともある国民だ。甘すぎて胃もたれしないのだろうか。
オランダ人「でも、高級な味がする。いいお店を選んだじゃん!」
足りないらしいが、お墨付きをいただいた。
今度彼女には、私が甘すぎると思うお菓子を進呈してみようと考えている。
きっと太鼓判をもらえるに違いない。