【オランダの病院で働いている 38】
オランダの病院で働く日記。
今日はマリナと食事に行った時について書こう。
同僚のマリナはウクライナ出身の37歳。
「周りの友達は皆結婚して子供もいるのに私は独身」という自虐がマリナの十八番だ。
マリナは東欧系の絵に描いたような美人で、鼻が高く瞳が青い。
おまけに痩せ型なので最初に37歳と聞いた時は信じられなかった。
人間って35歳を超えたらぶくぶく太りだすものだと思っていたので、マリナには2回くらい「ほんまに37なん?」と聞いたくらいだ。
そんなマリナは韓国コスメに詳しい。
これが意外だった。
やっぱり37歳に見えない美人には秘密があるのだ、と感じた。もちろんその秘密とは、韓国コスメである。
「韓国コスメって安くてデザインも可愛くて最高よね!」
「分かる!日本でもめっちゃ人気だよ」
「オランダのドラストでもさ、いいなと思った商品大体韓国製なんだよね」
「く、詳しい・・・」
「あ、あそこ行ったことある?待ってね地図アプリ見せるわ」
(見せてくれる)
「知らない店だなぁ」
「マジで?ユトレヒトといえばこの店だと思ってた」
「ってかオランダで韓国コスメ買えるって今の今まで知らなかった、もう3年くらいいるのに」
「あとで行こうよ!」
そう言って連れて行ってくれたお店で私は韓国といえばのフェイシャルシートを買った。
その店では、商品を買うとサンプルもつけてもらえる。その日は化粧水と日焼け止めのサンプルをもらった。
私はこの国でサンプルをつけてくれる店はダグラス(香水販売店)だけだと思っていたのでこれも新発見だった。
ダグラスでは、サンプルはキツい匂いの香水ばかり渡されるのであまり魅力に感じないなと思っていたが、日焼け止めのサンプルなんて全人類が欲しいに決まっている。かゆいところに手が届く。
オランダにもこんなパラダイスがあったとは。
マリナ「なんでさ、韓国とか日本の人って日焼け止め塗るの?」
どうやら全人類が欲しいわけではないようだった。
「日本の太陽は強すぎるからだよ。真っ赤になって肌ボロボロになるし。」
「マジかー。私日焼けしたら皮がポロポロめくれるけど、予防はしないな」
そりゃシミになるからさ、と言いたかったがマリナに急いで顔のシミを探されそうだったので言わないでおいた。
シミが怖くて日焼け止めを常備するのさ、我々は!