オランダに住んでいる人(31歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【イースターと比べてみる】
オランダの住宅街にて、朝日が眩しいのでカーテンを開けたくない日々を送っている。
先週末は、イースターだった。
イースターがジーザス的なイベントなのは知っているが、詳しくないので省略したい。
イースターが来る前、同居人にオランダでイースターはどういうイベントなのか聞いたところ、彼曰く「段々でかくなってきているイベント」とのことだった。
ここでジーザス的な回答をされてもちんぷんかんぷんであったろう。
だが、この答えも随分私の予想だにしない答えだった。
「イースターは、家がキリスト教じゃないし僕が小さい頃はあんまり祝っていなかったけど、スーパーが頑張ってうさぎの商品であったり、卵を買わせようと躍起になっているからどんどん盛り上がってきている」
なるほど。
これに心当たりがあった。
ハロウィンだ。
私が小さかった頃は、フィリピンで暮らしていたので盛大に祝った記憶がある。
当日、幼稚園には仮装してきていいことになっていたので、親御さんはかわいくて仕方ない(推測)我が子に仮装のリクエストを聞いて、その日までに衣装を仕立て上げるのだ。
仕立て上げるのは、仕立て屋さんだ。
随分豪勢に聞こえるが、その当時フィリピンでは自分で布を買い揃えるより、近所に一軒はある仕立て屋さんに依頼する方が安く上がった。
そのお店は確か姉妹で経営されていた。
腕が私の足より太いおばちゃんに肩幅や腰回りを測ってもらう。
薄ピンクのエプロンをつけたおばちゃんは、そこら辺に置いてあるメモ用紙に寸法を書き殴っていた。
そのメモをどこかにしまうでもなく、道具の散らばった机にポンと置くので、母も私も「ちゃんと作ってくれるのだろうか」と不安を抱きながら店を去った。
ハロウィン前日、仕立て屋さんに私がリクエストした”セーラームーンSuperS”の月野うさぎのコスチュームを取りに行き試着すると、うさぎちゃんのセーラー服は私の寸法にぴったりなのだった。
「あんなに適当に採寸していたのに」
母は驚きながらも喜んでいた。
日本に帰国してから、ハロウィンは見る影がなくなった。
しかし、私が大学生になった頃だった。
街が突然ハロウィンに湧き出したのだ。
それはテレビで見るニュースの映像だったように思う。
渋谷の街中を、ドラキュラだとかえらく丈の短いスカート姿の看護師だとかが闊歩していた。
そのような仮装はしなかったが、お菓子をもらうために訪ねる家がなくなった20代の私は、友人を家に招いて”お菓子たべたべパーティー”を開催した。
その名の通り、持ち寄ったお菓子もしくは当時私が鬼ハマりしていた”知育菓子”を作っては、不味いラムネ味に舌鼓を打たないパーティーだった。
日本のハロウィンはオランダのイースターとニアリーイコールだと感じられた。
何故ならその日、招かれた友人の家のイースターパーティーで友人の母がこのようなことをこぼしていたからだ。
「イースターって楽だわ。卵茹でるだけでいいもの。」
実際にランチのメインは半塾のゆで卵だった。
その他にも多種のサラミや、チーズ、パンなどが食卓には並んでいたが、一番美味しかったのはゆで卵だった。
オランダの”卵たべたべパーティー”は3時間もくっちゃべって楽しかった。
来年も是非参加したい。