オランダワーキングホリデー情報局

オランダでのワーキングホリデー(2021-2022)の情報基地。毎年200人行っているはずなのに全員地球からログアウトしたのか、情報が少ないので立ち上げました。

【クリスマスカードを出す君へ】

オランダに住んでいる人(30歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。

 

 

【郵便局の裏側】

 

今月限定で私は、クリスマスカードの仕分けの仕事をしている。

 

理由は二つある。

 

一つ、日本だと年賀状の配達や仕分けはガッと人を集めている印象なので、受かりやすそうだったから。

 

二つ、クリスマスカードってオランダっぽい。その”らしさ”に惹かれたから。

 

はてさて、”らしさ”を感じる暇もなく山のようなクリスマスカードを毎日目にしている訳だが、カードを出す側として「これは気をつけた方がいいな」と感じた事があるのでまとめたい。

 

5点ある。

 

 

1:迷子になりやすいカードがある。

 

仕分けをすると、大きすぎるカードや小さすぎるカードは仕分けレーンに乗せる事ができない。

 

そのため、手作業で省いている。

 

その省かれた大きいカード、小さいカードは手作業で消印を押す機械に通す。

 

その大きい小さいカードに立体シールやらカードのデコレーションで1cm以上飛び出た装飾がある場合は、機械に通らないので、最終的に人がローラー型のスタンプを押す。

 

通常の大きさのカードは最初にレーンに乗ると、そのまま機械で住所別に判別される。

 

つまり、個性的なサイズのカードは、チェックポイントが多い。

 

見失われるポイントも多いのだ。

 

信じられないことに人の想いの詰まった封筒を私達はめちゃくちゃ落とす。

 

仕事終わりに10通以上の飛んでいったり、落としたりしたカードを見つける。

 

そのまま踏んでしまって足型がつくこともしばしばある。

 

あと、サイズが規格外なのでめちゃくちゃ機械に詰める。

 

機械に詰まると、インクが宛名のところにベターっとついたり、封筒が破けることもある。

 

私は「長いけどいけるかな?」と通した短冊型のカードが、機械の中で秒速で真っ二つに破けたことがある。

 

「ご、ごめん!」

 

始めはそう思ったが、幾千ものカードが無言で横たわり私を待っているので、手を合わせるのもそこそこに次のカードに移らなければならない。

 

大きすぎるカード、プレゼントにくっつける用の小さいカード、短冊型の細長いカードは迷子の可能性が格段に増えるので注意が必要だ。

 

 

2:中に立体を入れない。

 

クリスマスカードに限ったことではないが、クッション性の封筒は便利だなと感じた。

 

まず、中に何か商品が入っていると見た目で即座に分かるので、ハガキや薄い封筒しか選別できないレーンから即座に省く事ができる。

 

これが意味することとは、機械に挟まって封筒が破ける、機械が詰まることを防げるのだ。

 

機械に挟まると、それはもう簡単に封が開く、そして破ける。

 

クッション性の封筒はハードルが高い場合は、セロテープやのりで二重に封をすることをおすすめしたい。

 

こうすることで、レーンで選別の目に止まらなくて機械には挟まってしまうかもしれないが、破け防止になる。

 

 

3:シールで封をしない。

 

私は郵便局で働き始めてからというもの、今後絶対に封筒をシールだけで閉じるのは止めようと決意した。

 

2と重なるのだが、厚みのない封筒でも、真ん中をまぁるいシールで止めただけの封筒は簡単に開く。

 

ぱっかーんとご開帳につき、中身が出て来そうなカードがよくある。

 

良心の呵責で私は元いた場所に戻しているが、それはマニュアルにはないので他の従業員がやっているかどうかは定かではない。

 

中身のない封筒だけのカードも平気な顔でレーンに流れてくる。

 

「おいおいお前、どうしちまったんだ。お母ちゃんを生き返らせるため等価交換で全部持っていかれちまったのか?」

 

ついハガレンの例えが出て来てしまうほど、中身のない封筒は衝撃映像だ。

 

さらに残念なお知らせだが、この中身のない封筒はまあまあ見かける。

 

仕分けレーンに乗る前から脱げていることになるので、ポストで収集したものをまとめて大きな袋に入れられる時に脱げたのだろう。

 

あれはナイアガラの滝のようにドバドバとノンストップでまとめられるので、シールで封チームには衝撃が強い。

 

なめるな、他の封筒の重さを。

 

なめるな、選別作業の人の手さばきを。

 

人間の手が当たって君たちの封筒なんか一瞬で開いてしまう。

 

繰り返しになるが、シールを貼るなら下にのりでしっかり封をした方が良い。

 

 

4:切手は右上に貼ろう。

 

日本では切手は左上だが、オランダでは右上だ。

 

機械に通す時も、右上に貼ってある事が前提なので、例えば左上に貼られていたならば、消印が押されないこともある。

 

その場合、手作業で一枚一枚押し直している。

 

つまり、宛名に何回も向きの違う消印が押されることになる。

 

きれいな宛名で送りたいのなら、ばちんと一回で決まる右上の切手が好ましい。

 

ちなみに私はマックス4回スタンプを押し直した事がある。

 

そのカードはなぜか、封筒のちょうど真ん中に切手が貼られていたのだ。

 

最早、スタンプだらけで宛名の読めない封筒と化してしまった。

 

 

5:切手を貼ろう。

 

本当にあった怖い話なのだが、一日8時間働いていて、20通は見かけるものがある。

 

切手のないカードだ。

 

私は最初、冗談かと思った。

 

裏面を見ると「うっそぴょ〜ん!びっくりした?貼るに決まってるじゃん!当たり前じゃん!」

 

そのような文言を書いていてほしかった。

 

ないのだ。

 

どこを探しても切手がないのだ。

 

よく見かけるのが、同じ差出人で最初の数通は貼ってあって、残り2通を貼り忘れているなどだ。

 

鼻で笑いたいかもしれないが、これが真実だ。

 

しかも、市の一番大きな郵便局に来て、仕分けレーンに乗るまで切手なしで来れるシステムなのだ。

 

返送も遅いことだろう。

 

むしろ、宛名を書く前に貼った方がいいかもしれないと感じた。

 

 

長くなったが、とにかくシールで封は本当によろしくない。

 

関ヶ原の戦いジェラートピケのパジャマで乗り込むようなものだ。