【オランダ人はがんばらない 113】
帰宅して、ふと気づいたことを書きたいので今日はマークもミゲルも出てこない。全国のオマールファンの皆様かたじけない。
オランダに来てから、しっくりくる言葉を探すことをやめた。
寝る前に思い返して「あそこはああ言えばよかった」と寝るのが5秒遅くなる時間がぱったりなくなった。
それは母国語ではなく、第二・第三言語で生活しているからだ。
私は喋るよりも書く方が好きだった。
小学生の頃の遠足の後の作文や、夏休みの読書感想文は苦痛で仕方なく、早く終わらせたい一心で句読点を異様に多く使っていたからあの頃は書く方が得手なんて程遠かった。
中学生の頃にブログを開設してから、変わったのだと感じる。
他人のブログを読むことも好きだった。
同じ曲を聴いた感想でも、人によって言葉の選び方がずいぶん違うのだなとその多様さに惹かれていった。
自分らしい感想を。
もっとラジオに採用される文章を。
そういって私は文章沼にハマっていった。窒息死確定。今まだ生きているのが奇跡。
ところがこのこだわりは、第二・第三言語となれば話は異なってくる。
母国語と他言語の違いは私に言わせればこうだ。
ディテールにこだわれるか。
英語もオランダ語もこだわれない。
そりゃはっきりした物言いより柔らかい物言いを心がけているが、「きつい言い方しちゃった」と気づくことは一生ない。
もはや英語は日々使うだけで、ほとんど勉強しないからだ。
語彙が更新されるのは、友達の口癖がうつった時や、ネットスラングを覚えた時だけだ。
こだわれない言語で話すことを恐れて海外に住んだことがない人もいるだろう。
英語の勉強不足で言いたいことが言えない、って日本語で何回見かけたことか。
3年しか生活していない若輩者なりの感想を伝えたい。
こだわって話さないのめっちゃ楽よ。
日本での会話を思い返してみよう。
友人「寂しかった?」
私「んー、寂しいというより、なんだろう。(5時間経過)」
友人「面白かった?」
私「面白い・・・というよりは新しかったな。面白いかどうかはこれから考えたい(会話が止まる)」
しっくりくる言葉を探す旅に出て会話に戻ってこれなくなる回数が減った。
ラリーが続くようになった。
今ある脳内の単語でカードを切らなければならない!
知らない単語をGoogleで調べるのは違う!自分の中から表現したい!
しっくり言葉探しの旅に出て砂漠で迷子になることが少なくなったので、会話にテンポが生まれたかもしれない。
母国語なのに会話にテンポがなかったなんて、社会を生きる人として致命傷だが仕方ない。こだわり屋さんだったのは事実だから。
母国語以外での生活、案外ストレスないかもと気づいたのであった。
こだわりはブログで発揮するで十分である。