【オランダ人はがんばらない 111】
以前このブログでジミニークリケットに似ているシェフ:モルの話をした。
過去のブログから見て取れる通り、モルは早く帰りたいことを全面に押し出すがオフの日は世界の料理番組を見ることが好きな勤勉なシェフだ。
「この前観た、モンゴルの料理が美味しそうでさ・・・」と急に話し始めるので
「あれ、私モンゴル人と勘違いされてる?」とそわそわしながら話を聞いていたら、ただ単に番組の感想を誰かに話したいだけだったこともある。
そんなモルの語録が貯まったので紹介する。
誰も興味ないだろうが最近のモルのマイブームは職場でかかっているラジオの曲に合わせて踊りながら調理器具置き場に入ってくることだ。
こちとら食洗機の音がでかくて音楽なんて全く聞こえないので、モルのダンスを見て「今ゆったりした曲がかかってんのね」と曲を感じている。
音じゃなくて視覚の曲。
その日は夕飯の客が少なく、モルは閉店15分前だがさっさと洗い場にフライパンだのを運んできていた。
モル「今日は人が少ないよ」
私「ほんと?」
そういう話をし始めたら忙しくなるもんだ、と看護師の友人が言っていた。
モル、余計なことしないで欲しい。
モル「20人くらいしか来てないもん」
私「先週とは大違いだね」
先週はひどかった。
駆け込みでたくさんの人が来てしまった。
寒いし早く帰りたいので何も嬉しくなかった。
モル「あと洗い物4つで終わりだから」
私「まじ?でもあれは?ポテト振るやつは?」
未確認飛行物体みたいな形をしたアルミのデカいボールのことを私は言っている。
リンクを貼り付けたくて検索しても実物が出てこなかった。日本にはないのだろうか。速水もこみちが振っていた気がするんだが。
モル「ほんとだよ。見なよ!」
モルは自信満々に厨房に入って行った。ついていく。
モル「これとこれとこれとこれだけ!全部カピカピで落ちないから明日の朝まで浸けときな」
私「おっけ」
私が言った”ポテト振るやつ”もしっかりそこにあったが、モルは基本的に人の話を聞いていないので仕方のないことだ。
モル「旦那か彼氏に言っとけよ?俺とシフト入る時は仕事が早いから早めに帰れるんだって」
私「そうね」
モル「言っとかないと”なんで早く帰ってきた!”って怒られるかもだからな。ハッハッハ!」
モル、俳優みたい。
英語で喋ってるから余計にハリウッド映画の俳優みたい。
”最後のはモル自身が妻に言われたんでしょう?”
とはつっこまないでおいた。
ポテト振るやつがとんできたら結構な打撃になるからだ。