【大人になって気づいた岡野昭仁”自信持っていけ胸張っていけ”の言葉の深さ】
ある本を読んだ感想を本気出して考えた結果、
”岡野昭仁すげぇ”ってなりました。
そのご報告です。
- 【大人になって気づいた岡野昭仁”自信持っていけ胸張っていけ”の言葉の深さ】
- 【好きなことで生きていかなければカッコ悪いという魔法にかかっていた】
- 【好きを重視する仕事選びの代表作】
- 【好きを仕事にしない君の人生も人生だから胸張っていけ】
- 【まとめ】
【好きなことで生きていかなければカッコ悪いという魔法にかかっていた】
Xでフォロワーさんがおすすめしていた本を読んでみたら新しい発見があったので私も紹介したい。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
Amazonだと綺麗にリンクが貼れない病に疾患しているので楽天のページを貼りました。
楽天ポイント信者ではありませんのでご安心ください。
いや、信者でもええやんけ。何が悪いねん。
この本では「夢を追う」「好きなことで、生きていく」「好きを仕事にする」これらの風潮がどのようにして90年代に広まっていったのかを詳しく紹介している。
そう、そもそも好きなことを活かせる働き方、という考えは90年代以降に広まった新しい考えだというのにまず気づいていなかった。
そりゃそうやん。
戦争で食べる口ばかりあって働き口が少ない時代に、好きなことで生きていこうなんて誰も言わなかっただろうな。
つまり90年代後半から00年代にかけて、日本の教育は「好きなこと」「やりたいこと」に沿った選択学習、進路形成を推奨する教育がなされることになった。
結果として「やりたいことが見つからない」若者や、あるいは「やりたいことが見つかっていても、リスクの高い進路を選んでしまう」若者が増えていったのだと荒川は指摘する。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』/三宅香帆
そんな私も大学生の頃は自己実現に向けて必死だった。
どこの大学の骨か分からないなんちゃってコンサルタントが受け持つ特別講義を受けては熱心に質問してみたり、
質問したことで印象に残っていていい就職先を斡旋してくれないかと願ってみたり、
家に帰っても授業で書いた紙をしげしげと眺めては「これでいいのか?」と修正を加えたものだ。
もちろんその”自分のキャリア形成シート”にオランダの文字は一つもなかった。
私はその頃まだオランダという、自分の人生に激震を加える黒船に出会っていなかった。
まとめると、私はお恥ずかしながら大学生の頃から今まで「好きなことを仕事にする」こと以外カッコ悪いと感じていた。
資格を取って公務員として働いている後輩を見ては「なんでそんなおもんなさそうな仕事してるん?」と思っていた。口にはしなかった。よかった内向的で。
ところがこの本を読んだことで、趣味で好きなことをしていても、十分人生が充実しているということに気付いた。
後輩の趣味はゲームだと忘れていたわけではなかった。
あいつよりスプラトゥーンが上手いやつを私は知らない。
後輩は趣味でゲームをしていることが幸せなのだった。
仕事に好きはなくとも、福利厚生がしっかりしていてボーナスが年2回もらえる。
それも仕事の魅力の一つなのに、ゆとり教育と夢を追うことを正義とする教育を間に受けた私にとって後輩の仕事は「夢を諦めた人が就く仕事」だった。
【好きを重視する仕事選びの代表作】
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』では、村上龍のベストセラーが参考文献として紹介されている。
子どもが、好きな学問やスポーツや技術や職業などをできるだけ早い時期に選ぶことができれば、その子どもにはアドバンテージ(有利性)が生まれます。
13歳の頃にもらったかは覚えていないが、私は母にこの本をプレゼントしてもらった。
そして、すごい嫌いだった。
なんだこの押し付けがましい本は。
これが最初の感想だった。
XXが好きな人は、こういう仕事があります
〜かわいらしいイラストと共に3、4点の仕事がリストアップされている〜
それ以外もありそうじゃね?
この本に載ってる時点でめっちゃ競争率高そうじゃね?
私は中学生の時点であまのじゃくだったのだろう。
すでにラジオにメールを書き始めていたが、そこまでラジオに文を認めることが好きなのかも判断がつかなかった。
好きとは、学生のうちに判断できるものではない。
何年か、はたまた何十年経ってふとした時に「ずいぶん長いこと続けているから好きなんだろうな」と感じるものだと私は考えているからだ。
では、『13歳のハローワーク』にしっくりこなかったくせに何故私は夢追い人になってしまったのだろう。
それは前述の「好きを活かした仕事に就く」ことが正解だという教育によって形成された。
私は村上龍に出会う前に教育に出会ってしまっていた。
【好きを仕事にしない君の人生も人生だから胸張っていけ】
好きなことをどうにか金に換えて生きていく、を目標にしていた私をいつも励ましてくれる言葉があった。
それはポルノグラフィティの昭仁さんがライブの終わりに発するあの言葉だ。
あんたら最高じゃ!
胸張っていけ!
自信持っていけ!
大事なので赤文字にしました。
基本中身も字の色も真っ黒のブログなので珍しいですね。
これが、好きを仕事にせずとも背中を押してくれる言葉だと気付いた。
夢追い人でいなければ腐る、生きている意味がないとすら思い込んでいた私には昭仁さんの言葉が刺さった。
険しい道でも、望みの少ない道でも、胸張っていけば大丈夫だ。
私は最高なのだから。
思い上がっていた私はこの言葉はむしろ夢追い人にしか刺さらないと思っていたが、それは大きな間違いだった。
昭仁さんは「夢追っていけ!自己実現していけ!キャリアアップしろ!」とは言っていない。そんなこと言っていたら彼の腕を確認する。
数珠とかつけ始めてないかな、と。
最高じゃ!
- 生きているだけで最高
- ライブに来てるだけで最高
- たとえ友達の付き添いでも最高
- 最高と言われたら誰でも最高
自信持っていけ!
- お前の就いた介護士という仕事、出会いはないけど一生食えるからお前は自分の選択に自信持っていけ!
- お前のやってるコンビニバイト、忙しくてあっという間に時間が過ぎるから素晴らしい。自分の選択に自信持っていけ!
- お前のやってるYouTube、再生数2桁だけどとにかく続いてるから自信持っていけ!
胸張っていけ!
- 明日試験だけどライブに来ちゃった?胸張っていけば合格する!
- 遅番だったのに急にシフトが早番になった?胸張っていけば遅刻しない!
- またアイロンかけてくるの忘れた?胸張ったらシワなんてなくなる!
そう、昭仁さんのこの言葉は夢なんて危なっかしいもんを追わなくてもブッ刺さるのだ。
君が夢を追ってもいいし、追わなくてもいいし、毎月保険料などを差し引いても手元に十分なお金が残る仕事に就いていることに胸を張ればいいのだ。
私は今まで何度か「夢は叶う」とのたまうミュージシャンのライブに行ったことがある。
なんて、甘い言葉だろうと。
その点昭仁さんは現状の自分で背伸びしなくてそのままでも十分素敵、と表現してくれるから大好きなのである。
ま、毛玉のついた部屋着を着ているなら毛玉くらいは取った方がいいとは思うけど。
【まとめ】