オランダに住んでいる人(31歳・♀)が送る限りなく異世界オランダ日記。
【勝利のビールかけ前倒し】
オランダの住宅街にて、昨日から急に花が散りだしたので毎日髪の毛に花弁や枝を絡める日々を送っている。
先日、NEC Nijmegenの試合観戦に行った。
あのままでは「ナイメーヘンはあんまりグッズがなくて小規模なクラブだった」という印象なので、今日は試合について書きたい。
ずばり、めちゃくちゃ楽しかった。
それもそのはず、席はゴール裏。
コアサポーターのひしめく"080"エリアではなく、その反対側だ。
つまりおっそろしい野次や一体感のある応援よりはある程度ゆっくり観られる。
おまけにアウェイサポーターのエリアの真横だった。
対戦相手はGAE(ゴーアヘッドイーグルス)、かなり気合が入っていた。
というのも、エールディビジはその日を含めて残り3試合とシーズン終盤を迎えていた。
両者の順位は僅差で、8位のGAEは今日負けると11位のNECと順位が入れ替わってしまう負けられない試合だった。
そりゃ盛り上がるに決まっているのだ。
前半も後半も枠内シュートはあれど、決めきれずにいた。
0-0のイーブンで迎えたアディショナルタイム。
後半から投入された期待の新人”シソコ”がアディショナルタイム2分、喉から手が出るほど欲しかった1点を我々にくれたのだった。
後半は自分の座っている側のゴールがナイメーヘンのゴールだったので、自分の目の前でネットが揺れた。
大人たちはにわかに中腰になり、ネットが揺れるのを確認してから両手を掲げた。
恐らくゴール裏の全員がそうしたのだろう。
その瞬間、上からビールのシャワーが降ってきた。
何故だ。
私の気持ちを代弁するかのように、前方に座る黒の革ジャンにスキンヘッドの兄ちゃんが頭上を見上げた。
視線がこちらに降りてくる前に「私ではありません」と全力で首を横に振った。
どうやらかなり上の方から降ってきたらしい。
というか、君はいいじゃないか。
スキンヘッドなのだから。
口には出していない、何故なら彼はスキンヘッドの革ジャンだからだ。
私はもじゃもじゃ頭の右半分だけビール臭くなったが、そんなことはいい、関係ない。
勝ったのだから!
ビールは椅子も覆っていたので、先ほど買ったばかりのマフラータオルで拭いた。
マフラータオルとは、ビールまみれになったものを拭くためにあるグッズなのではと感じた1日だった。